この人は 相澤消太。
俺の元保護者だ。
かれこれ10分間説教を食らっている。
ヒーローやってるんだろうなぁとは思ってたが
こんなとこで教師してんのか⁉︎
ポンッとしょーたの肩に手を置いてしょーたを宥める
さーくんは親しげにしょーたの名を呼んでしょーたも
同様だった。
さーくんは俺の心を読んだかの様に質問に答える。
俺はしょーたが目を見開いて驚いているその顔に
ジト目を向けた。
何もかもが嫌でしょうがなくなった。
ずっと側にいると信じて疑わなかった人達の1人は、
何処か遠くに行ってしまい、1人は術師を辞めて……。
そして、もう1人は俺達の敵となることを選んだ。
珍しく不安そうにお願いしてくる消太。
その様子を見てさーくんは勝ち誇ったような笑みを
浮かべる。
最初から貴方の狙いはこれか?
全く、しかたねーな。
俺は少しばかり頭をガシガシとかしむしったあと意を
決した表情をした。
そう言って立ち上がるとさーくんも立ち上がりドアに
足を進める。
キィイイッ(さーくんがドアを開ける音)
キョトンとした表情をするしょーた達、でも悪いな。
コレだけは言わせて貰う。
そう笑顔で吐き捨てその場を去る。
ガチャッ…バタンッ……(ドアを閉める音)
さーくんと顔を見合わせて笑う。
今の伊地知には、車の中に入れば何故か笑っている
不気味な術師として見られているだろう。
だがそんなこと関係ない。
そういうケイの瞳に光など宿っていない。
ただただ無機質な暗黒の色が渦巻いていた。
そう、これが私。
ヒーロー嫌いでさーくんと硝子と建人以外の人の事は
どーでもいい。
これが“俺”なんだ。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。