平 次 の バ イ ク を 持 ッ て 来 た の は 、 羽 麻 都 だ ッ た 。
羽 麻 都 が ウ ィ ン ク を 決 め て 言 う と 、 コ ナ ン は 若 干 引 い た 顔 を し た 。
屋 根 の 上 に バ イ ク を 倒 し た 平 次 は 、 脇 差 を 抜 い て キ ッ ド に 斬 り か か ッ た 。
が 、 キ ッ ド は 持 ッ て い た 脇 差 で そ れ を 受 け 止 め る 。
平 次 は 脇 差 を 斜 め に 振 り 上 げ 、 横 一 文 字 に 斬 り か か ッ た 。
キ ッ ド が 素 早 く 後 ろ に 一 回 転 し て 、 刃 を 交 わ す 。
平 次 は 退 い た キ ッ ド に す か さ ず 迫 ッ た 。
振 り 下 ろ さ れ た 刀 を 、 キ ッ ド の 脇 差 が 受 け 止 め る 。
斬 り 合 い に な れ ば 、 剣 道 の 達 人 で あ る 平 次 の 方 が 圧 倒 的 に 強 か ッ た 。
斬 り 返 す キ ッ ド の 刀 は 虚 し く 空 を 斬 り 、 平 次 が 再 び 脇 差 を 振 り 上 げ る 。
キ ッ ド は 平 次 の 刃 を 受 け 止 め る の が 精 一 杯 だ ッ た 。
押 さ れ た 刃 が キ ッ ド の 顔 に 近 付 い て く る 。
更 に 一 際 強 く 押 さ れ て 、 弾 か れ た キ ッ ド は 後 ろ に 飛 ん だ 。
す か さ ず 、 平 次 が 斬 り 込 ん だ 。
キ ッ ド の 眼 前 で 振 り 下 ろ さ れ た 刀 が 、 シ ル ク ハ ッ ト と 片 眼 鏡 を 切 り 裂 く 。
割 れ た シ ル ク ハ ッ ト の 下 か ら 、 片 眼 鏡 を 失 ッ た キ ッ ド の 素 顔 が あ ら わ に な ッ た 。
間 近 で キ ッ ド の 素 顔 を 見 た 平 次 は 驚 い た 。
工 藤 新 一 と 瓜 二 つ な の だ 。
キ ッ ド は 持 ッ て た 脇 差 を 咥 え る と 、 傍 に 落 ち た 片 眼 鏡 を 素 早 く 拾 ッ た 。
ハ ン グ グ ラ イ ダ ー を 広 げ 、 屋 根 の 奥 に あ る 塔 の 壁 を ジ ャ ン プ し て 蹴 り 、 空 へ と 飛 び 立 つ 。
平 次 が 脇 差 を 掲 げ て 振 る と 、 ハ ン グ グ ラ イ ダ ー で 空 を 飛 ん で い る キ ッ ド は 右 手 の 脇 差 を 平 次 に 向 け た 。
函 館 山 の 方 へ 飛 ん で 行 く キ ッ ド の ハ ン グ グ ラ イ ダ ー は 、 あ ッ と い う 間 に 小 さ く な ッ て 、 や が て 見 え な く な る 。
ハ ン グ グ ラ イ ダ ー が 消 え た 夜 空 を 眺 め る 平 次 の 頭 に 、 キ ッ ド の 顔 が 浮 か ん だ 。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。