リンッ…
リンッ…
リンッ…
鈴の音が、響く。
とても、響き、空間を包む。
そして、それが、
最後に聞いた音。
妖怪というものを、見た。
最初はただの人かと思って、近付いた。
そしたら、その人には、
…耳と尻尾が生えていた。
ぬらりひょん…?
いや、違うかもしれない、
けど、目が、確実に合った。
黄色と黄緑のグラデーションの瞳。
吸い込まれそうな、瞳。
ずっと、見ていたいくらいな、
さらさらな緑髪。
光に照らされて、キラキラと輝いている。
…この時間が止まってほしい、
そう、思った。
なんせ、あの瞳には、
私しか映ってないから。
人間に見られた。
まずいと思った。
俺は九尾狐。
妖怪だ。
普段は見られないように何とかしているけど、
今日はそう上手くいかなかった。
1人の人間が、こちらを見つめていたのだ。
確実にその目には、俺を捕らえていた。
その目は、キラキラしていた。
好奇心、というものだろうか?
とても、興味があって、
わくわくしている、
そんな目。
俺と目が合ってからそれはもっと強くなった。
この人間は、俺を怖がってない。
むしろ、好奇心の気持ちが勝っている。
人間というものは、やっぱり面白い。
俺はこの人間に少しだけ
興味が湧いた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!