前の話
一覧へ
次の話

第13話

E p i s o d e . 1 1
293
2025/09/22 13:25 更新



デリザスタ・マーカス処刑日まで、20日。



レナトス
レナトス
ほれ、お茶
 
(なまえ)
あなた
ん……ありがとう
 
レナトス
レナトス
まだやってんのかよ
 
(なまえ)
あなた
うん。絶対諦めない



過去の罪人の記録を、ひたすらに調べていた。

前例があれば魔法局も振り向いてくれるかもしれない。



レナトス
レナトス
お前3年の担任だろ?
レナトス
レナトス
卒業用の成績とかもつけきゃいけねぇんじゃねぇのかよ
 
(なまえ)
あなた
それもやってるから大丈夫
 
レナトス
レナトス
なんも大丈夫じゃねぇわ
レナトス
レナトス
寝てんの?
 
(なまえ)
あなた
大丈夫だってば



心配するレナトスの手を振り払ってしまった。



(なまえ)
あなた
あ……ご、ごめん……
 
レナトス
レナトス
おい
 
(なまえ)
あなた
……
 
レナトス
レナトス
……ハァーーー……ったくしょうがねぇな
レナトス
レナトス
んっとにやり出したら聞かねぇ頑固者だけは変わらねんだからよぉ……



レナトスは私の向かい側に座ると、山積みの資料を一束開いた。



レナトス
レナトス
殺人鬼が死刑を免れた記録を探してんだな?
 
(なまえ)
あなた
うん
 
レナトス
レナトス
そんなもん見つかんのかよほんとに
 
(なまえ)
あなた
わからない
(なまえ)
あなた
でも、古い物語の中には島流しになっても再審から戻った人の話もあるから
 
レナトス
レナトス
いやそれ架空の話だろ?
 
(なまえ)
あなた
架空でもなんでも、現実にしなきゃいけないの
 
レナトス
レナトス
……わかった
 
(なまえ)
あなた
レナトス……?
 
レナトス
レナトス
二人でやった方が早ぇだろ
 
(なまえ)
あなた
……うん……ありがとう
 
レナトス
レナトス
どぉーいたしまして!
レナトス
レナトス
終わったら三ツ星レストラン奢りな



_____3時間後。



レナトス
レナトス
キッッッチィ……お前よく集中力切れねーな……
 
(なまえ)
あなた
うん
 
レナトス
レナトス
魔法言語の先生は違うねぇ
 
(なまえ)
あなた
うん
 
レナトス
レナトス
飯何食う?
 
(なまえ)
あなた
うん
 
レナトス
レナトス
……
レナトス
レナトス
(“うん”しか言わねぇな……こりゃ声掛けても無駄か)



だめだ。

やっぱり全然見つからない。

もうあと20日しかないのに。
 
この作戦はだめかな。

だったら何日も無駄にしてしまった。



レナトス
レナトス
なーあなたのfirst nameー、きーてる?
 
(なまえ)
あなた
ハッ……なに?
 
レナトス
レナトス
もう明るいんだけど



外を見ると、朝日が昇っていた。
 
学生時代、本を読むのに明け暮れてこの朝日を見たことが何回あっただろうか。

懐かしい感覚すら覚える。



(なまえ)
あなた
レナトスごめん!
 
レナトス
レナトス
マジで気づいてなかったのな……あーあ、徹夜しちまったよ
 
(なまえ)
あなた
てか、魔法局の図書館って閉館時間とか
 
レナトス
レナトス
特別なー



神覚者様レナトスのポケットから、鍵が出てきた。



レナトス
レナトス
俺今日裁判入ってるから、さすがに仮眠取るわ
 
(なまえ)
あなた
裁判……?なん、の
 
レナトス
レナトス
魔法不全者を殺害した、非魔法族狩りの裁判
 
(なまえ)
あなた
……



世界が変わっている。

大きな地殻変動のように。

静かに、でも確かに。

変わっていく。



(なまえ)
あなた
レナトス!



私は、大あくびをする友人の背中に向かって言った。



(なまえ)
あなた
ありがとう
 
レナトス
レナトス
……どぉーいたーしまして、You're welcome♪



プリ小説オーディオドラマ