病院の窓を叩く音だけが、
静かな廊下に広がる。
私はぷりっつを見上げる。
ぷりっつは何も言わない。
手の中の缶コーヒーだけが、
白い湯気を立てていた。
真っ赤になった指。
熱いはずなのに。
本人は分からない。
その事実が、
どうしようもなく怖かった。
私がそう言うと。
ぷりっつは少しだけ眉を寄せた。
出た。
私は思わず睨む。
あまりの回答のはやさに
ぷりっつが少し吹き出した。
でも笑ったあと、また静かになる。
雨が降っている。
窓の外は灰色。
病院も灰色。
なのに。
私はなぜか、
ぷりっつの返事を待っていた。
長い沈黙のあと。
ぽつりと。
ぷりっつが言った。
私は息を止める。
声は小さかった。
私は黙って聞く。
ぷりっつが自分の手を見る。
赤くなった指。
その言葉に。
胸がぎゅっと痛くなった。
なくなっていく。
私も知っている。
その感覚を。
私の身体は星屑になっていく。
ぷりっつの感覚は消えていく。
形は違う。
でも
失っていることは同じだった。
私は聞いた。
小さな声で。
ぷりっつは少し黙った。
それから。
本当に少しだけ。
そう言った。
私は思わず息を呑む。
初めて聞いた。
ぷりっつの弱音。
いつも誰かを気にかけていたぷりっつの…。
私の指先から、
小さな星屑が零れた。
怖い。
悲しい。
苦しい。
……怒り。
そういう気持ちを言葉にすると、
前より安定している気がした。
その時、
病棟のスピーカーが鳴る。
ノイズ。
⸻
『ちぐさ様、至急診察室までお越しください』
⸻
私とぷりっつは顔を上げた。
『繰り返します。ちぐさ様――』
放送が流れる。
ちぐさ…嫌な予感しかしない。
なんだろう…急がなきゃ…
私達は互いに頷き合って、談話室へ急いだ。
私たちが談話室へ戻った時、
困った顔をしたちぐさがいた。
声が震えている。
談話室の空気が止まった。
そして
私は気づいてしまう。
ちぐさの机の上に置かれているノート。
そこには。
『ぷりっつ 感覚欠落症』
『あっと 停止症候群』
『あなた 星屑症候群』
そんなメモが、
びっしり書かれていた。
ちぐさは
覚えているために、
忘れないように。
みんなのことを、
必死に書き残していたんだ。
えーっと、完結があんま自分の中で見えてなくて。
読者様にとってちょーっと納得のいかないエンドとか
なってしまうかも知れません。
あとネタないのでこっからストーリー的には
早く進めたい気持ち笑
優しい催促コメがあれば、更新の努力します!w












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。