テーブルの上の破片は、
電気が戻った談話室の中で静かに光っていた。
小さな硝子みたいな欠片。
青白くて、
綺麗で。
――私の身体だったもの。
胸の奥がぎゅっと縮む。
戻らない。
もう二度と。
分かってるのに、
見るたび苦しくなる。
私はそっと視線を逸らした。
まぜ太の声。
顔を上げると、
みんなが私を見ていた。
責めるわけでも、
哀れむわけでもない目。
ただ、
待ってくれてる。
私は少し迷ってから、
小さく首を横に振った。
自分でも、
なんでそう言ったのか分からない。
でも。
捨てたら本当に、
“なくなった”気がして。
すると、
ぷりっつくんが小さく頷いた。
当たり前みたいに言う。
その言葉に、
少しだけ救われる。
異常じゃないみたいに扱ってくれるから。
突然、
あっきぃがこちらを覗き込む。
図星すぎて、
声が止まった。
あっきぃくんは「やっぱり」と笑う。
横からまぜ太まで頷く。
否定できない。
私は昔からそうだった。
迷惑かけたくなくて。
心配されたくなくて。
だから笑ってた。
平気なふりをしてた。
でも。
そのたびに、
身体は少しずつ壊れてた。
私は透けた右腕を見る。
砕けた場所は、
やっぱり戻ってない。
見慣れてきたはずなのに、
まだ怖い。
その時、ちぐさくんが、
私の前に温かい飲み物を置いた。
紙コップから、
ふわっと湯気が上がる。
受け取ろうとして、
私は少し動きを止めた。
指先が透けてる。
ちゃんと持てるかな。
落としたらどうしよう。
そんなこと考えてると。
けちゃ
が聞いた。
動きづらそうな腕なのに、
こっちを気にしてくれてる。
私は慌てて首を振る
言ってから、
少しだけ息を止める。
また“大丈夫”って言った。
癖みたいに。
責める声じゃなかった。
確認するみたいな。
私は紙コップを見つめる。
それから、
小さく笑った。
そう言うと。
誰かが笑った。
馬鹿にする笑いじゃない。
やわらかい笑い。
その空気が、
なんだかくすぐったくて。
私は恐る恐る、
透けた指先で紙コップを持つ。
熱が伝わる。
ちゃんと分かる。
まだちゃんと、私のものだ。
少し安心した瞬間。
コンコン、
談話室の扉が叩かれた。
みんなが振り向く。
ドアの向こうには、
白衣の女性が立っていた。
看護師さんだ。
その人は私を見るなり、
少し表情を曇らせた。
お願いしますまだ行ってない人行ってくださいお願いしますわたしのかわいいかんいい双子チャンです
これに参加しますのでみなさんもよかったら!
あぶねーーーせいげんぎり!












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。