練習室の片隅で、YOSHIKI(矢田佳暉)が静かに鍵盤を叩いていた。奏でられるのは、彼の甘くて深い低音ボイスによく似合う、どこか切なくて温かい旋律。
ドアの隙間から覗き込むと、彼は鍵盤から手を離し、隣のスペースをぽんぽんと叩いてももかを促す。
並んで座ると、ふわりと彼の香水の匂いが鼻をかすめた。
廊下から、野球仕込みの元気な声でISSA(柳谷伊冴)が呼びにくるのが聞こえる。
ヨシキはクスッと笑い、私の目を真っ直ぐに見つめた。
真剣な眼差しに、心臓が跳ねる。彼らが紡ぐ音楽は、ファンの心の鍵を簡単に開けてしまう魔法そのものだった。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。