夜なのに明るい石の道を歩きながら、Straykidsの曲をイヤホンで聴きながら歩いた。
目の前に交差点があり、やはり交差点には人込みがある。
AYCのカセットを持ったまま交差点の信号を待つ。
周りには人がたくさんいて、ほとんどの人が携帯を触っているか、電話をしている。
こんなゲームのカセットが入ったパッケージを両手でしっかりと握りしめて信号を睨んでる女は私しかいないだろう。
私の携帯は、今背負っている、リュックの中に入っている。
私は少し運が悪く、私がついた時にはちょうど信号が赤だった。
早くプレイしたいがために、心の中で早く信号が変わってくれと念じる。
信号機の色が黄色で点滅し始めたため、私はダッシュの姿勢をとった。
そのため、今から向かう方角をじっと見つめた。
その時___
交差点の反対側に...
交差点の反対側に...推しのすんちゃんの姿がみえた。
片手をポケットに入れ、片手に携帯を持ち、マスクを着け、キョロキョロして何かを探しているようだ。
腕には腕時計をつけている。周りにスキジキらしき人がいないから、きっとOFFなんだろう。
あのスタイルに、手つき、心臓が止まりそうになるほど可愛かった。
帽子とマスクをつけたって、長年stayをしている私ならわかる。
あれはすんちゃん、絶対に。どんなに暗くたって、わかる。
私は目をがん開きにし、すんちゃんのことを穴が開くぐらいに見つめた。
私の心拍数は今までにないぐらい高まっている。
身体が熱い、今なら何でもできそうだ。
周りの人たちが一斉に同じ方向に動き出した。
そうだった、さっき黄色だったから、信号が青になったんだ。
人が多すぎて、戻りそうにも戻れない。
それに、すんちゃんもこっちの方向に向かってきてる。
すんちゃんはこっちを見ていないのに、私はすんちゃんのことをじっと見ている。
それなのに、私の心拍数はすんちゃんに近づくほど、どんどん上がる。もうクラクラして倒れそうだ。
やばい
もうすれちがいそうなほど近づいてきた。
そう心の中で強く願い、私はパッケージをギュッと握りしめ、目を瞑ってすんちゃんの横を通り過ぎた。
通りすぎた後にはすんちゃんの香水のにおいがした。
私たちは交差点の真ん中ですれちがった。
よく頑張った、私。胸の異常なほどの高鳴りも鎮まった。もう大丈夫。
と思って、前を見て反対側にある交差点に行こうとしたら
声がした。
その声は、耳にタコができるほど聞いた、すんちゃんのオリジナル曲の声と驚くほどに似ていた。
この透明感のある声、男性よりかは、少し高い声。
さっき落ち着いたはずの心臓がまた高鳴り、急いで後ろを向いた。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!