第15話

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2025/08/26 12:01 更新
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がんばれー!!
相変わらず青い空の下。

私の視線は、足首にさらしをまいて

爆笑しながら走る2人を捉えている。


遠くからでも笑っている2人を

見ていると、私もなんだか

笑いが込み上げてくる。


私の応援が聞こえていたのか、

2人は、ゴールした後に

こっちに向かって手を大きく振ってくれた。



…最下位だったけど。



krmc
たっだいま〜!
退場の音楽に合わせて

2人はこっちに戻ってくる。

私はそれを笑いながら迎える。
.
おつかれ〜
.
2人、途中で転んでなかった?
isgm
やっぱり練習なしだとダメだったか〜
.
え?ちょっとまって、練習してなかったの!?
krmc
練習なしでもいけると思ってたんだけどな〜


「まあ、楽しかったしいいか!」と、

笑う2人をみて、そのテキトーさも

なんだか”らしい”と感じる。



笑いながらのんきに話していたら

のぞみから急に爆弾のような

問いが投げつけられる。

isgm
あなたってさ、小柳先輩のこと好きなの?
.
…え!?あ、えーっとぉ…
krmc
あー!!それ私が聞こうとしてたやつー!


どうやら2人は二人三脚の待ち時間に

私の話をしていたらしい。

なんか楽しそうに話しているな〜、

とは思っていたけど。


.
もー!なんでわかるの?!


「好きなの?!」「どうなの?!」と、

2人に問い詰められた結果、

仕方なく認めてしまった。






もうそこからは、

質問攻めが待っていて。

「いつから好きなの?」とか

「連絡先は?」とか。


…まあ、こうなることは

わかっていたけど。

krmc
ねー!写真撮ってきたら?ツーショットで!

そして最後にはそう言われた。
isgm
そうじゃん!体育祭だからチャンスだよ!







…というのが数時間前。

もうそろそろ日が落ちかかってくる。

つまりは体育祭も幕を閉じる、

というわけだ。





…ツーショットの写真。

2人は簡単に言ってみせたけど。


それでも、私にとってはどうしても

難しく感じられて、誘いに行く勇気が

出ないものなのだ。



そうして、校庭の砂を見ながら

吐いたため息。




それを遮るような足音がひとつ。
akg
あなたー!!
.
わ!お兄ちゃん!?

足音の正体はお兄ちゃん。

…それともう1人。

私はそれに気づかなかったのだけれど。

akg
せっかくの体育祭だからさー、
写真とろーよ!
akg
あ、これも一緒に!
kyng
“これ”って言うなよ。
.
えっ、小柳先輩いたんですか?!
お兄ちゃんが指差した方から

小柳先輩がでてくる。

いると思っていなかったから

どきっとしてしまう。
akg
ろうきゅん影薄いもんね〜
kyng
は?
kyng
てか、ろうきゅんって言うな
お兄ちゃんから始まった

テンポのいい会話が

目の前で繰り広げられる。

そして、続いていた会話は

お兄ちゃんの発した言葉によって

崩されていった。
akg
ね!早く写真撮ろ!

そう、このマイペースな発言によって。
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