第6話

4話 悪役令嬢は期待される
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2025/09/23 03:24 更新





あなた
まったく…何してくれてるのよ、ニコル…。












カツカツ。と足早にヒールを鳴らしながら、深くため息をつく。




それは、今から『使用人に謝りにいけ』と言われたから。







…私が移る前までに起こしたニコルの行動のままで記録されてるなんて、そんなの難易度高すぎでしょう…、。






あなた
…攻略しなきゃいけないのは婚約者だけじゃなく、使用人もってことね…。





それに、悪役令嬢の評判をあげたほうが…物語のシナリオを変えれるかもしれないし。








なんて考えていると、さっそく…大廊下に2人の使用人の姿が見えた。







あなた
ああ…あのメイド…ゲームで見たことある




黒い長髪をなびかせた猫目のメイドは…サクラ。

茶髪で大きな瞳をしたメイドは…ルカ。






ルカはゲーム内では悪役令嬢がよくいじめていた存在であり…後にマリアの専属メイドになるキャラ。





そしてサクラは、ここの王宮の…メイド長。









…さっき…メイド長に…だから、サクラに水をかけたと言ってたよね。











あなた
サクラさん、ルカさん…!







私は、少し小走りで近寄り2人の名前をよび……
深々と頭を下げた。















あなた
…これまで、多大なる迷惑をかけてしまい…申し訳ございませんでした。




…よし、言えた……!




礼儀正しく…敬うように…ちゃんと、できたはず…!







そう思い、顔をあげる。








…でも、











サクラ
…何なんです?急に。
謝るだなんて…また何かを企んでいるのですか?









サクラは眉間にしわをよせて、私の事を怪訝そうに見つめてきた。





それは、ルカも同じで…



ルカ
…どうせ、王子の命令でしょう?
分かるわよ。いつもは貶してくるんだもの。





そう、私を睨みつけていた。






あなた
(…うん、分かってた。)





ゲームのストーリーで、『ニコルの傲慢さは、彼女の使用人も王宮の使用人までも頭を抱えるものだから』と、涼太様が言っていた。





…それに、ニコルの悪口を使用人が裏側で言っているシーンもあったよね。








あなた
そう…ですよね…。
あなた
失礼しました…。



その中でもこの2人はニコルに1番被害をうけて…酷く嫌っていた。





そんな相手にいくら謝っても…正直、うっとうしがらるだけかもしれない。






私は、表面上で笑顔を作り、2人を後にした。

















あなた
はあ……、流石にこうもされると苦しくなるものだな……。










あの後も、王宮を歩き回って手当たり次第に使用人の方々に謝ったけれども、



結果は無視か貶されるかのどちらかで、誰も私を許すことはなかった。








…まあ、確かに急に謝り始めたんだし、不審がられるのはおかしくはないけども。









あなた
…ニコルの嫌われ度がどれだけか、目に見て分かるな…あはは…。







宮舘涼太
…ふふ、ひどく落ち込んでるみたいだね。
どうだった?謝ってきてみて。








はぁ…と、何回目かもわからないため息を零そうとしたときに、頭上からーー涼太様の声が降ってきた。






あなた
……まあ、予想はしてました。




私は、曇った表情を戻し、彼の顔を見上げた。






あなた
これまで…どれだけの事をしてきたのか、ちゃんと分かっていましたので…。





宮舘涼太
そっか。…でも、君の謝罪をしてる姿は…なかなか、素敵なものだったよ。




彼はニッコリと微笑んだ。


いや、……謝罪をしてる姿が素敵って………。






あなた
それは…喜ぶべき言葉なんでしょうか?



宮舘涼太
…さあ?あなたの下の名前のとらえ方に任せるよ。




あなた
ははは……じゃあ、喜んでおきます…



とらえ方に任せる…か。

この人…ゲームの原作の中でもなかなか考えてることが分かんなくて…攻略難しかったんだよね……。





宮舘涼太
あと…ちゃんと、あなたの下の名前の変わりたいっていう意思は伝わってきた。



あなた
……!




宮舘涼太
だから…俺は、少し君に…あなたの下の名前に、『婚約者』としての期待をしたいと思う。



あなた
…期待、ですか?




彼の意味深な言葉に…瞳に、全身が囚われる。





…期待って、何のことだろう。







宮舘涼太
王妃として、劣ることのない…令嬢になることをね。





彼は、私の髪から毛束をとってくるりと指先に絡めた。







……なるほど、じゃあ王妃として認められる女になれば…彼と結婚できるということか。






…それなら、









あなた
…ふふ、じゃあその期待を応えるまでの間に、




あなた
私じゃなく…貴方を、私を追いかける…飼い犬にして差し上げます。













私は、彼に近づき、ふふん。と鼻を鳴らしてそう言った。



















4話 悪役令嬢は期待される。















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