第61話

59(過労❤️⑥)
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2026/02/16 12:00 更新
あなたside

朝。
薄い光がカーテンの向こうで揺れて
私はゆっくり目を覚ました。

…首、痛い。

そう思って体を動かそうとして
自分が勝利くんのベッドに突っ伏す形で
眠ってしまっていたことに気づく。

毛布が肩から背中にかけて
ちゃんとかかっている。
(なまえ)
あなた
一瞬、昨日の夜がうまく思い出せない。

それから静かに部屋を見回して
一気に現実が戻ってくる。

ベッドの上。

勝利くんが横になっている。

顔色は昨日よりだいぶ良さそう。

でも、腕に伸びる細いチューブ。
点滴スタンド。

わたし、寝ちゃってたんだ。
その間に原くんが全部やってくれたんだ。

そう理解した瞬間、申し訳なさが一気に押し寄せる
佐藤勝利
佐藤勝利
…起きた?
掠れた声にハッとする。

勝利くんが目を開けていた。
佐藤勝利
佐藤勝利
おはよう
声が昨日より少しだけちゃんとしている。
(なまえ)
あなた
ごめんなさい
わたし、寝ちゃって
佐藤勝利
佐藤勝利
うん笑
気持ち良さそうに寝てたね
なんて揶揄うように言ったと思ったら
佐藤勝利
佐藤勝利
でも、寝れるときにちゃんと寝ないと。
まだ10代なんだし。
なんて真面目に話してきて
いつもの勝利くんらしくて安心する。
(なまえ)
あなた
原くんは…?
佐藤勝利
佐藤勝利
部屋で寝てるんじゃない?
胸がキュッとなる。
申し訳ない。
原くんはお仕事もあるのに。

そう思っていたら
佐藤勝利
佐藤勝利
あんま気にすんな笑
今日、1日看てもらうんだし笑
なんて笑っていってくれるから
ちょっと気持ちが落ち着いた。
(なまえ)
あなた
うん、なんでも言ってね。
佐藤勝利
佐藤勝利
じゃあ水飲みたい
そう言われたから急いでストロー付きのコップを
キッチンから持ってくる。
(なまえ)
あなた
はい、気をつけてね。
佐藤勝利
佐藤勝利
うん、もう大丈夫。
ありがと
その後、私はキッチンにたった。

おかゆを作る。
火加減を弱くして焦がさないように。

原くんが寝ていていない今、
私にできるのはこれくらい。

出来上がったお粥を小さな器に持って
部屋に戻る。

(なまえ)
あなた
…食べられそう?
勝利くんは少しだけ考えてから言った。
佐藤勝利
佐藤勝利
少しもらおうかな
私はベッドの横に椅子をよせて座る。

スプーンで一口ずつ、ゆっくり。

3口ほど食べたところで
佐藤勝利
佐藤勝利
ありがとう、もう十分。
ごめんね残しちゃって
(なまえ)
あなた
ううん。
食べられてよかった。
ご飯を食べ終わった頃
私は何気無く点滴の袋をチラッと見る。

…減ってきてる気はする。

でも終わりかどうかはわからない。

そんなとき。
佐藤勝利
佐藤勝利
あなた
勝利くんが私を呼んだ。
佐藤勝利
佐藤勝利
点滴もう終わりそうだから
原呼んできてくれない?
(なまえ)
あなた
うん。
いま呼んでくるね
テレパシーでも通じてるのかと思うほどの
タイミングだった。

そのまま私はすぐに立ち上がり
原くんの部屋へ向かった。
原くんはまだ少し眠そうだった。

でも、点滴の話をすると
すぐに表情が切り替わる。
原義孝
原義孝
ん、わかった。
ありがとな。
部屋に戻ると
原くんは手際よく確認して
点滴を抜く。

私は少し離れたところで見ているだけ。

勝利くんはじっと動かず耐えていた。
原義孝
原義孝
はい。おしまい
佐藤勝利
佐藤勝利
ありがと、助かった。
原義孝
原義孝
おれ、この後収録なんだ
原義孝
原義孝
だから無理すんなよ〜
何かあったら連絡して
佐藤勝利
佐藤勝利
はいはい。
行ってらっしゃい
原義孝
原義孝
適当だな笑
じゃあ、あなた後頼むわ
(なまえ)
あなた
うん、行ってらっしゃい
そう言い残して原くんは家を出た。

ドアが閉まる音が少し大きく響く。

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