あなたside
朝。
薄い光がカーテンの向こうで揺れて
私はゆっくり目を覚ました。
…首、痛い。
そう思って体を動かそうとして
自分が勝利くんのベッドに突っ伏す形で
眠ってしまっていたことに気づく。
毛布が肩から背中にかけて
ちゃんとかかっている。
一瞬、昨日の夜がうまく思い出せない。
それから静かに部屋を見回して
一気に現実が戻ってくる。
ベッドの上。
勝利くんが横になっている。
顔色は昨日よりだいぶ良さそう。
でも、腕に伸びる細いチューブ。
点滴スタンド。
わたし、寝ちゃってたんだ。
その間に原くんが全部やってくれたんだ。
そう理解した瞬間、申し訳なさが一気に押し寄せる
掠れた声にハッとする。
勝利くんが目を開けていた。
声が昨日より少しだけちゃんとしている。
なんて揶揄うように言ったと思ったら
なんて真面目に話してきて
いつもの勝利くんらしくて安心する。
胸がキュッとなる。
申し訳ない。
原くんはお仕事もあるのに。
そう思っていたら
なんて笑っていってくれるから
ちょっと気持ちが落ち着いた。
そう言われたから急いでストロー付きのコップを
キッチンから持ってくる。
その後、私はキッチンにたった。
おかゆを作る。
火加減を弱くして焦がさないように。
原くんが寝ていていない今、
私にできるのはこれくらい。
出来上がったお粥を小さな器に持って
部屋に戻る。
勝利くんは少しだけ考えてから言った。
私はベッドの横に椅子をよせて座る。
スプーンで一口ずつ、ゆっくり。
3口ほど食べたところで
ご飯を食べ終わった頃
私は何気無く点滴の袋をチラッと見る。
…減ってきてる気はする。
でも終わりかどうかはわからない。
そんなとき。
勝利くんが私を呼んだ。
テレパシーでも通じてるのかと思うほどの
タイミングだった。
そのまま私はすぐに立ち上がり
原くんの部屋へ向かった。
原くんはまだ少し眠そうだった。
でも、点滴の話をすると
すぐに表情が切り替わる。
部屋に戻ると
原くんは手際よく確認して
点滴を抜く。
私は少し離れたところで見ているだけ。
勝利くんはじっと動かず耐えていた。
そう言い残して原くんは家を出た。
ドアが閉まる音が少し大きく響く。
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!