⚠️あてんしょん⚠️
・あくまでも夢小説だから接触しているだけです、現世の皆さんは感染する可能性を考えて風邪を引いた人と直接接触することは避けましょう
・何ヶ月経っても変わらない語彙力
廊下ですれ違ったあなたは顔が赤くフラフラと足取りもおぼつかない。誰が見ても体調不良だとわかる絵面である。流石にそんな様子の彼女に声をかけないほど彼の倫理観は死んではいない。
普段ならまず言わないであろう言葉があなたの口から飛び出し、鬼灯は彼女の体調不良を確信したのだった。
「あなたさん、どうぞ」と鬼灯に前に出るよう促されたあなたは千鳥足で大王の前へと出ていく。そこでやっと大王の真っ赤な服と大きな体が視界に入ったのか、それはもうヘロンヘロンになった声で挨拶をした。
流石の大王もこの状況を察することができたらしく、鬼灯とあなたが休みを取ることを快諾してくれたのだった。
2人で仲良く午後休をとった結果、鬼灯は半ば強引にあなたの部屋に連れ込まれる形となった。
鬼灯本人としては女性の部屋に入るのは如何なものかと思いやんわりと断ったのだが、
と普段とはかけ離れた弱々しい声で言われてしまえば拒絶なんぞできるわけがない。それが想い人からのセリフであればなおのことである。
相手は病人、一時的に弱っているだけだと理性と倫理観で煩悩を焼き払おうとする鬼灯の努力を打ち砕くかのように甘ったるい声で名前を呼んでくるあなた。
鬼灯はあなたが自分に恋心を抱いていることは知る由もないため、名前を呼ばれるたびに喜びと虚しさが同時にこみ上げてくる。弱っている時に自分を頼りにしてくれた喜びと、一人でなければ隣にいるのは自分以外の誰でも良いのではないかという虚しさが。
どうせ今の彼女に言っても風邪が治った頃には覚えていないだろう。やはり部屋に来るべきではなかったとマイナス感情が大きくなっていく。
相手が全て忘れると思うと返事を考えることすら面倒になってきた。感情が抜けた顔であなたの頭をわしゃわしゃと撫でてやる。
ちょっと待て、待て。
彼女は、あなたさんは今、何と?
好きだと、言ったのか?
こちらの情緒を勝手にぐちゃぐちゃにしておいて一人先に寝息を立て始めたあなたを見て色々な感情が同時に込み上げる。ふざけるなよこの、という怒り、好きと言ってもらえた喜び、どうしてそんな大事なことを今言う?という困惑。
その感情の嵐を一瞬で無理やり処理した結果、導き出された解は。
あまりにも酷すぎる、だが鬼灯らしいといえばらしい答えだった。
元より鬼灯のアプローチが控えめだったのはあなたが自分に対して好印象を抱いている自信が無かったからだ。加えてあなたは自分に好意を寄せてくる異性をあまり好まない性格をしている。下手に関わり方を間違えれば嫌悪感を抱かれる恐れがあり、一気に距離感を詰める事ができなかった。
だが、彼女が自分を好いているとなれば話は別。自分の気持ちが伝わるように、そして周りの奴らに横から掻っ攫われる事がないように。自分の愛情がどれほどの物か知ってもらい、さっさと手篭めにしてしまわないと。
先程までの大人しい鬼灯は何処へやら、早くもあなたを堕とす算段を付け始めた。
蛇は、獲物を逃げられないように捕えてから丸呑みにする。はなから逃がしてやる気なんぞない。
だから、あなたさん。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!