人の「痛み」や「傷」を
癒すのにはそれなりの代償がある
“こっち”が無傷でいられるほど
“治癒”と言う能力は甘くない。
_______消えた痛みはどこにいくのか。
それはもちろん。自分に返ってくるのだ
つまり、怪我が重ければ重いほど
自分も“死”に近づく
初め同僚は「そんな危険な能力は使わなくていい」
と言ってくれた
それと同時に、
自分のことを大切に思ってくれているのだと、
とても嬉しかった
_____そう。あの子が来るまでは
桃色の髪に、ふわっと香る甘い匂い
見るからに“愛されヒロイン”という感じだった
案の定、私の同僚は可愛に可愛がった
_____私を除け者にしてしまうほどに
_________そしてそんな愛されヒロインが重傷を負った
同僚達はボロボロのヒロインの姿を見ていて
今までにないほどに焦っていた
私はボーッとその姿達を眺める
皆んなが悲しみの色に沈む中、ロウが口を開いた
_________「能力つかってくれない?」
「 きっと死ぬ 」
そんなことは、姿を見てわかった
それでも「能力を使え」だなんて
「死ね」と言っているのと同じだ
「 ぇ 」
喉から声が出ないほど
低く、掠れた声が出たような気がする
同僚達から言われる言葉が
鉛のようにひどく重かった
あーあ。
『 君が死ねば完璧だったから 』
• ─────𝐬𝐭𝐚𝐫𝐭───── •













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。