この前、2つ目の小説を書き終えた。
この夏の気持ちを、やっと形にできた気がする。
書き終わったあとの心の中は、少しだけ静かで、でもどこかあたたかい。
あの話を書こうと思ったのは、ある日、公園で小さな女の子がお父さんに肩車をしてもらっているのを見たとき。
胸の奥がきゅっとして、懐かしいような、くすぐったいような気持ちになった。
あれは、もう遠くに置いてきた景色のはずだったのに。
書きながらずっと考えていたのは、「甘え」と「大人っぽさ」のあいだのこと。
どちらかだけじゃなくて、そのあいだにしかない気持ちが、たしかにあるんだと思った。
それはきっと、子どもでも大人でもない時間だけの、特別な宝物みたいなもの。
一番思い入れがあるのは、やっぱり「もう一回だけ……肩車、してくれない?」の場面。
あの一言には、言えなかったこと、言ってはいけないと思っていたこと、ぜんぶが詰まっている。
もし読んでくれた人の心の中にも、似たような景色や匂いが残っていたら、うれしい。
ほんの少しでも、誰かの夏の空に重なればいいな。
この夏の空は、きっとずっと忘れないと思う。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。