『東京湾に進行中の怪獣は現在、第一防獣堤を超え北に進路を取っており』
『第一部隊が討伐に当たっています!!』
『現在避難指示が出ているのは川崎区、鶴見区、神奈川区、西区…』
飛行船のガラス窓越しに見える怪獣討伐の光景に四ノ宮ちゃんと関心していた。
第一部隊、この部隊は完全に怪獣の進路を支配しながら攻撃も止めず続けている。
それを可能にしているのは隊員一人一人のスペックの高さ、おそらく隊員全員が解放戦力40%以上。
小隊長クラスの実力者だ。
真剣な顔で飛行内を歩く四ノ宮ちゃんを横目に私は緊張とプレッシャーで息を飲んだ。
押しつぶされないよう、私も頑張らないと。
精神統一をはかるため、胸元をトントンと叩き深呼吸をする、しばらくすると隊長がモビルスーツに着替えてやってきた。
二人で彼の背を追うと、突然振り返ったと思えば急に名前を呼ばれ肩が跳ねる。
淡々とした口調で私たちにそう言い放つと、下がっていた前髪を上にあげ、彼は独特な瞳をこちらに向けた。
笑みを浮かべた彼はそのままパラシュート無しで飛行船を飛び降り、背負っていた箱から自身の体長を優に超える程の武器を出した。
その武器を構えると、彼は怪獣の背にそのまま落ちていく。
そして彼はその武器を怪獣に突き刺し、惨いほどに残虐に討伐していた。
彼は軽やかに怪獣の死骸の上を飛び跳ね、自身の専用武器に着地した。
そして……。
そう、言い放った。
これが日本最強の対怪獣戦力、鳴海弦。
そんな彼は今…新聞を見てとてつもなくキャラ崩壊をしています。
真隣でそう叫ぶ日本最強、鳴海弦。
正直いうととてもうるさくて面倒くさい。
前髪上げた時の顔が1度でもかっこいいと思ってしまった自分を殴りたい。
至近距離で話してくる隊長から離れようとしたが肩を掴まれて一向に離れられない。
クソ、この人副隊長タイプだ……。
またあの地獄が始まるのかと思い、キリキリと痛む胃を擦りながらため息をついた。
すると隊長が横で何やらブツブツと一人で喋っている、次はなんだ……。
泣きそうになっている隊長を慰めようと精一杯の慰めの言葉を投げかけ、縮こまった彼の背中を軽く叩いた。
すると何故か真顔で急にこちらを向いてきた。
私達が楽しそうに雑談している間、四ノ宮ちゃんはその光景を虚無顔で眺めていたのを私はまだ知らない。
深夜テンションで書いたので文章もセリフもテンション高めです笑
眠いので寝ます
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!