緑色side
家に帰ってきた時にはもう真っ暗だった。
時刻は6時、まぁまぁ早かったか
俺は玄関の前でスマホを触る
ここはWiFiがギリギリ届くから、“あの人”と会いたくない時に何時もこうしている
なんでッ、今日は遅くなるはずじゃ…
___嗚呼、最悪な日だ
ドコッ バキッ
ドシャッ
今日はまだ良かった
顔を殴られた以外は比較的軽かったし終わるのも早かった
ふとそんな事が頭に浮かび、顔を横に振った
父さんは俺が幼い頃に亡くなった
数十年前…
その時期を皮切りに、父さんは病気でこの世を去った
俺と、コンピュータ達を遺して
俺は部屋の電気も付けずに父さんのパソコンを開いた
仕事用のアプリやファイルは全て削除されていた。
父さんが亡くなった次の日にはもうなかったのだ
…俺が使うことを知ってたみたいに
ダメだ、思い出すな
また死にたくなる
俺はみどりの恐竜のキャラクターのパーカーを着て、
バックには父さんがくれたノートパソコンとスマホ入れて外に出た
街の夜は静かだ。
この時間に外に出る人は居ない
夜に外を出たら神隠しに遭うとか、幽霊に身体を乗っ取られるとか言ってる街の年寄りはみんな臆病
街灯は少ないけど、車も人目も無い。
人間が怖い俺にとっては最高の時間だ
手すりを持って俺は歩道橋の階段を登る
ここは俺のお気に入り。
この街が一望できて星がよく見えるから。
残念ながら今日は月が見えない新月だ、ついてない
もしかしたら、父さんにも逢えるかも知れないし
「___この街の外れには“人外の住まう青鬼の館”があるんだって!」
ふと、あの時クラスメイトが話していた青鬼の館の話を思い出した
クラスメイトが呟いた言葉を反芻する
俺は歩道橋の階段を降り、森の奥にある青鬼の館に向かって歩き出した













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。