第4話

第2話 はじめまして
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2026/05/02 14:01 更新

部屋を出ると、廊下は思ったよりも静かだった。


白い壁と、足音だけが響く空間。


少しだけ緊張していると、
前を歩いていた初兎が振り返る。

初兎
そんな固くならんでも大丈夫やで!


笑顔を浮かべる。

初兎
みんな、意外と普通やから。


“普通”。


その言葉に、ほんの少しだけ引っかかる。


でも、何も言えずにただ頷いた。



案内されたのは、
小さな共有スペースのような場所だった。


ソファとテーブル。
窓から差し込む柔らかい光。


そこには、すでに何人かが集まっていた。

りうら
お、来た!


最初に声を上げたのは、赤い髪の少年だった。

りうら
新入り?


軽い調子でこちらを見る。

初兎
そうそう、今日から。


初兎が答えると、その少年はふっと笑った。

りうら
大神莉来、宜しく〜


視線が合う。


その目はどこか落ち着いていて、
でも少しだけ、こちらを探るようだった。

ほとけ
稲荷帆高です、


小さく名乗ると、りうらは軽く頷いた。

りうら
帆高ね、覚えた。
俺はりうらとかりうちゃんとか
呼ばれてるから好きに呼んで!
ないこ
初対面でそんな圧かけんなって


隣から呆れた声がする。


ソファに座っていた桃髪の少年が、ため息をついた。

ないこ
びびってるだろ


そう言いながらも、視線はこちらに向いている。

ないこ
乾乃心、宜しくな。


短く名乗るその声は落ち着いていて、
どこか大人びていた。

ほとけ
……


少しだけ言葉に迷っていると、

悠佑
そんな緊張しなくてええって


柔らかい声が割り込んだ。


振り返ると、穏やかな表情の少年が立っていた。

悠佑
獅子尾悠佑や。宜しくな、ほとけ。


その一言だけで、少しだけ空気が和らぐ。

ほとけ
宜しく、お願いします…


自然と、そう言葉が出た。

初兎
あと2人やけど…


初兎が辺りを見回す。

いふ
…なに突然呼び出して


低い声。


いつの間にか、もう一人が部屋の入り口に立っていた。

いふ
……


無言のままこちらを見るその視線に、
少しだけ息を呑む。


手には分厚い紺色のハンドウォーマーをつけていた。

いふ
猫宮威吹。


短く名乗って、壁にもたれかかる。

初兎
もー、愛想ないんやから〜


初兎が笑う。

ないこ
で、もう一人は——
初兎
はいはーい!


初兎
有栖初兎です、ってもう言ったか


自分で言って、自分で笑う。

りうら
ちゃんと全員揃ったね


りうらがそう言って、視線をこちらに向けた。


一斉に集まる視線。


少しだけ、心臓が跳ねる。

ないこ
改めて、宜しく。


そう言われて、ゆっくりと頷く。


気づけば、少しだけ肩の力が抜けていた。


不思議だった。


初めて会ったはずなのに、
どこか落ち着く。


ここにいるのは、みんな同じ。


何かを抱えて、この場所に来た人たち。


それだけで、少しだけ安心できた。


初兎
ゆっくり慣れてってな!


初兎がそう言って笑う。


その言葉に、静かに頷いた。


この時はまだ、


この時間がどれほど大切になるのかを、
知らなかった。

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