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第14話

レイ攻略大作戦3
37
2025/08/12 13:45 更新
色々気にしないでください(好物とか)
ある日の午後。エマとノーマンは、ひそひそ声で相談していた。

「ねぇノーマン、やっぱりレイにも一回くらい酔わせてみたくない?」

「……正直、ずっと思ってた」

「だよね!!」

エマが嬉しそうにニッと笑う。

「レイだけいつも冷静だし、私とノーマンが恥かいた分、ちょっとは…ね?」

「“公平な世界”ってやつだね」
ノーマンも微笑んで頷いた。

二人は見つめ合って、こっそり拳を合わせる。

「コードネーム:R(レイ)撃墜作戦、発動だ」
📋《作戦概要》

目的:クールで感情の読めないレイを、宅飲みでほんのり酔わせて、素の反応を引き出す。

手段:
• スイーツ系のリキュールで油断を誘う
(うめ・チョコ・カシス)
• レイの好物(チーズ&ナッツ)
でつまみを完璧に
• 「俺は酔わないから」と言い張る自尊心を
逆利用
• 話題はエマとノーマンが“わざと”
甘酸っぱい思い出話をして揺さぶる

注意点:
• バレたら終わり。
• レイにカウンターを取られないこと。
• 作戦名は絶対に本人に聞かせないこと。
当日、再び宅飲み——

「というわけで、今日は久々に、珍しいお酒も取り寄せてみました〜〜!」
エマが笑顔でボトルを並べる。

「なんだこれ、やたらカラフルだな」
レイが眉をひそめる。

「梅酒チョコレート仕立てと〜、カシスバニラと〜、あとミントシロップのスパークリング割り♪」

「……甘すぎて逆に警戒する」

「レイ、甘いの嫌いじゃなかったよね?昔さ、蜂蜜舐めてたよね、農園で」
ノーマンが自然なトーンで畳みかける。

「……お前それ、覚えてたのかよ」

すかさずエマがグラスを差し出す。

「一杯だけ!乾杯しよ〜〜!」

レイはため息をついて、グラスを受け取った。

「ま、どうせ俺は酔わないし。お前らみたいに泣いたりデレデレにはならないから」

エマとノーマン、ニヤリ。

「「いただきま〜す♪」」
数杯後。

「……はぁ〜。でもエマってさ、今も変わらず突っ走るタイプだよね」

「そ、そうかな〜?」

ノーマンがふっと笑って、レイを見やる。

「でも、そんなエマを支えてたの、昔からレイだったよね。影でいろいろ準備してくれてさ」

「はぁ?」
レイは鼻で笑う。「それ、酔わせようとしてるのバレバレだからな」

「えっ!?そ、そんなつもりは……ね?ノーマン?」

「うん、ぜんぜんそんなことないよ」
ノーマンは笑顔を崩さずに言うが、目だけがめっちゃ泳いでいる。

「……お前ら、今日の空気おかしいとは思ってたんだよ。さりげなく好物ばっかり出てくるし、甘い酒で誘導してるし」

「……くっ……ばれたか……!」
エマ、苦悶の表情。

レイはグラスをゆっくり置いて、ニヤッと笑った。

「そんな手に引っかかるほど、俺は甘くないんだよ」

——が、その瞬間。

「でも、ちょっと顔赤くない?」
エマが急に身を乗り出す。

ノーマンも乗った。「耳、赤いよね?ほら、照れてる?」

レイの手が、そっと耳を押さえる。

「……してねぇし」
「いや、完全にしてる」

「今、“ちょっとは効いてるけど認めたくない”っていう顔してた!」

エマとノーマン、満面の笑み。

レイは頭を抱えた。

「……あーもう、うっぜえ。酔ってねぇっつってんだろ!!」

「はいはい、じゃあそのうちまた検証しようね〜〜?」
作戦は失敗か成功か。
明確な勝敗はつかなかったが——

エマとノーマンの笑い声の中で、珍しくレイが少しだけ口元を緩めていたのを、二人はしっかり見逃さなかった。

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