ビーチバレーは言うまでもなく…圧勝である。
カッコいいところをこれでもかと見せつけられ、私としてはいい大会だったが、他の選手的にはそうでもないみたい…
そんじょそこらの人間とは格の違うその強さを見せられては手も足も出るまい。
いやぁ、念能力使ってなくてもあのスピードの球打てるとは何事だろうか。
ボールよ、よく頑張ったな。
ウボォーさんが私の方へと来たので先程の試合について賛辞する。
あなた
「いつも通りと括るのは勿体ないかもしれませんが、
カッコよかったです。
あの殺人サーブ、見ているだけでも爽快感あって…
あ!そういえば!時間がありません、一旦パラソルに!」
ウボォーギン
「忘れてたぜ…さっきの大会中大丈夫だったか?」
あなた
「それは全く問題ありませんでしたよ。ご安心ください。」
パラソルの下に戻り、カバンの中身をゴソゴソ漁る。
ウボォーギン
「つーかもう帰んのかよー、
まだお前と何もしてねーじゃねーか。」
あなた
「あぁ、それも大丈夫ですよ。これこれ。」
取り出したのはラッシュガード。
ウボォーさん用に私が事前に買っておいたものだ。
ウボォーギン
「なぁ、ハナからそれ使えばよかったろ。」
あなた
「両方味わ…見てみたかったので。」
ウボォーギン
「言い直す前なんて…」
『おーし、命中だ!』
丁度タイマーが鳴り、ウボォーさんの声が響いた。
キショい発言から注意がそこへいく。
ウボォーギン
「……オレの声にすんのいい加減止めねぇ?」
あなた
「えー、具現化はイメージが肝心でしょう?
以前使っていたタイマーと同じにするのは合理的な判断か
と。モチベーションアップにもなりますし。」
ウボォーギン
「つまり止めないっつーことか。
強化系だから何も言えねーんだよな…」
そこに漬け込んでしまって申し訳はないが、ウボォーさんのボイス付きタイマーが具現化できるんだ、容量の有効活用だよね。勝因勝因。
あなた
「話は逸れてしまいましたが閑話休題です。
引き続き楽しみましょ!」
ウボォーギン
「それだけに関しちゃご尤もだな。
折角なんだから海入ろうぜ!
そういやお前泳げんのか?」
あなた
「泳げますよ。基本的な泳法は。」
ウボォーギン
「マジか!?」
あなた
「自分で聞いといてその反応なんですね。」
ウボォーギン
「だってボール投げんぼはからっきしだったろ?
言ってなかったがあそこまでノーコンなやつは初めて見た
しよ…
今じゃ大分マシだがてっきり運動センスは絶望的だと思っ
てたぜ。」
そんなこと思われていたのか…
振り返ってみるとボールよく当てられるようになったな。
成長できたのはウボォーさんとの特訓の賜物。
誠に感謝だ。
あなた
「水泳は習い事の一環で嗜んだことがあるんです。
ある程度泳げれば命の危険を回避できることだってありま
すからね。」
それが当初の目的だったのだからバタフライまでできるようになることなかったな。
ウボォーギン
「人命救助の手間が省けて肩の荷が下りたな。」
そこまで重度なカナヅチに見られていたとは。
逆にそれを利用していればウボォーさんの慌てふためく姿を拝めたりとか手取り足取り教えていただくことだってできたかな…
アホなもしも話を考えながら海へと入る…浅いっ!
そりゃあいきなり深いのもおかしいけれどいきなり泳げるもんじゃないのもなぁ…
これがリアル海か!
進むたび冷たい海水に身体が浸っていく。
ベトベトするけれど不快感は全くない。
ある程度深いところにつくと、私たちは水中へと潜る。
目を開けると最初は少し痛かったけど、少しすれば慣れてちゃんと開けられるようになった。
泳いでいる姿も美し…疾っ
驚きで一気に空気を吐いてしまい、息が持たなくなったので海から顔を出す。
ウボォーさんも少しして顔を出し、私の方へとまた泳いできた。
ウボォーギン
「泳げるっつってもやっぱ速くはねーな。」
あなた
「ウボォーさんが速すぎるってのもありますからね!
誰もついていけませんよ。」
ウボォーギン
「なら今回も捕まっとけ。息止めんの限界きたら教えろ。」
あなた
「いやはや、それは気恥ずかしいといいますか…ってちょっと!」
私の腕を掬って自身の首に回させる。何度目でもこっちはもたないんですよ、ウボォーさん。
考える隙を作らずまた潜る。
猛スピードで過ぎていく水が心地良い。
それよりも、心臓は動きっぱなしだけど、大きな背中の安心感が一番快い。
あなた
「んー、んっ」
限界を伝えるとすぐに上がってくれた。
もう岸があんなに遠いとは。
ウボォーギン
「どうだ?凄かったろ!」
あなた
「はい…
速くって気持ち良くて…それに海が綺麗ですね!」
ウボォーギン
「気に入ったならもっかいやるか?」
あなた
「それでは…お言葉に甘えます。」
ウボォーギン
「上等上等!」
「海が綺麗ですね」、これが日本では愛情表現の一つだなんて知ったこっちゃないだろうけど、私は心の底からそう思っている。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。