ある晩、魔法舎のシャイロックのバーは
相変わらず賑やかだった。
みんなあれこれ飲みながら
ルチルは今日の任務での面白い出来事を
元気にフィガロ、シャイロック、ムル、クロエと
ラスティカに話していた。
その場にあなたが静かに立ち入った。
シャイロックはクスリと笑って
出来上がった綺麗な赤色のカクテルを
あなたの前に置く。
みなあれこれ話しながら時間は過ぎていった。
それぞれ少しずつ酔ってきてるのが
明らかに見えた。
椅子の上で少しふらつくフィガロを
あなたはそっと支えてため息を吐く
そう言ってムルは宙に浮いてくるくる
回転をし始めた。
いい終わりもする前に、ムルはある本棚に
衝突してしまった。体当たりの勢いで
ムルはその場に転び、本棚が
ゆっくり前に落ち始める。
あなたは一瞬で椅子から飛び降りて
ムルの方に駆けつける。
片手で落ちてくる本棚を抑え、
棚に入っていた本が落ちてくるところ、
ムルの頭を自分の体で庇った。
ムルは少しびっくりしたのか、自分を庇う
あなたを見上げて瞬きをする。
シャイロックは魔法でそっと本棚を戻し、
本も棚の中に戻してくれた。
あなたはふぅと安心してため息をつき、
ゆっくりムルを庇った体制から離れた。
だがムルはそのままあなたにしがみついて
ぎゅうっと抱きしめる。
ムルはまるで猫のようにしがみつきながら
すりすりしてくる。
あなたはまたため息をつくが、
ムルの行為に小さく微笑んで、優しく
頭を撫でた。


















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。