第33話

柱候補の2名の剣士から柱に就任されました
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2025/08/22 07:06 更新
お館様
お館様
よくきたね、榛香、雪葉。

 怪我はもう大丈夫かい?
雪風榛香
雪風榛香
お陰様で大事ありません

 御館様におかれましてもご壮健のようで何よりでございます
桜猫 雪葉
桜猫 雪葉
同じく榛香同様でございます。
お館様
お館様
ありがとう
私と雪葉は今、産屋敷邸に来ている

宇髄さんとのお話を受けて、御館様とも話をしなければと思ったからだ


とは言え、まだ自分の中でも結論は出ていない


半ば衝動的に面会を申し出たにもかかわらず、御館様は快諾してくださった
お館様
お館様
………本題があるのだろうけれど、まずは言わせて欲しい


 上弦の陸と十二鬼月の討伐、本当によくやってくれたね

 ありがとう、君達は凄い子だ
雪風 桜猫
もったいないお言葉、大変恐縮でございます
三つ指をつき、丁寧に頭を下げる
お館様
お館様
上弦が討伐されたのは実に百年ぶりだ

 これで、鬼舞辻にまた一歩近づける
雪風 桜猫
鬼舞辻無惨に………
お館様
お館様
そうだ
穏やかに語る声色に、ほんの僅かな興奮を感じとる
お館様
お館様
我が産屋敷一族は代々先見の明があった


 私にもそれがあってね

 そう遠くない未来、大きな局面が訪れる
桜猫 雪葉
桜猫 雪葉
大きな局面とは………?
雪風榛香
雪風榛香
…!
お館様
お館様
まだ漠然としたものだけれど、上弦の撃破が続けば鬼舞辻を引き摺り出せるかもしれない

 そんな予感があるんだよ
お館様…それは…貴方様を…犠牲にする事ですか?
雪風榛香
雪風榛香
………つまり、戦いの激化と終極の可能性があるということでしょうか
御館様の微笑みが深くなる
お館様
お館様
私は、私の代で鬼舞辻を倒すことを望んでいたんだ


 もう子供達が鬼に殺されなくて済むように


 今の柱の子達はとても優秀だし、絶好の機会が巡ってきたと私は思ってるんだ
雪風榛香
雪風榛香
今代で鬼舞辻を倒す………
それは今まで考えたことがなかった


私達は、上弦も鬼舞辻も途方のない存在だと思っていたから


勿論それらを倒すための修行と任務とはいえ、この戦いは私たちが死んだ後も何十年何百年続くものだろうと感じていた
お館様
お館様
君達にはその二助になって欲しいんだよ、榛香、雪葉。
御館様の声が鼓膜を揺らす


胸を突かれたように息が詰まって、私は御館様の御顔を見上げた
お館様
お館様
勿論今も、君達の意思を尊重したいと思っている


 でも君達が良いと言うなら、どうか柱として皆の先頭に立って欲しい
───私達が鬼殺隊に入った理由


命を救ってくれた富岡さんや、引き取ってくれた鱗滝さんに恩を返すため


自分の大切な人を守る為の思いを存在に出す為。


けれど、鬼殺隊に入隊してから、私の周りには常に多くの人がいた


尊敬する師範、柱の方達、背中を預けた同僚、隠の皆さん




柱と肩を並べ、鬼殺の要となる



私と雪葉にそれが務まるのなら


皆の力になれるのなら
雪風 桜猫
御館様
深く、深く頭を垂れる
雪風榛香
雪風榛香
雪風榛香


 これより柱としてより一層、鬼殺にこの心身を捧げると誓います
桜猫 雪葉
桜猫 雪葉
桜猫雪葉…いや、胡蝶雪葉。

 これより柱として一層、鬼殺にこの心身を捧げる事を誓います。
お館様
お館様
───ありがとう

 よく言ってくれたね
顔を上げてごらん、と言われゆっくりと身体を起こす


無理をおしてまで、御館様は上座を降りてこちらに来てくださった



病に侵された手で、光も失っているのに私の手を手探りで取ってくださった
お館様
お館様
入隊した時より、良い顔をするようになったね

 見えなくても分かるよ
優しい微笑みと、手から伝わる温もりが痛いほど体に沁み入る
お館様
お館様
閉ざされていた感情が蕾を付けて開き始めているんだ


 君達自身の優しさと強さ、たくさんの人との出会いを養分として
胸が熱い、痛い


どうしてかわからない
お館様
お館様
どうか素敵な花を咲かせて


 花が咲く頃に私はもう生きてはいないかもしれないけれど

 前を向いて


 いつか、榛香と雪葉の心からの笑顔を見せてくれ
そういえば、煉獄さんもそんなことを言ってくださったなあ



鼻の奥がつんとして、視界が僅かに揺れた
雪風 桜猫
…はい、お館様のご期待に応えるように頑張ります。
私達にとってその言葉は胸の熱さと心の温かさと繋がった。






















NO SIDE



数日後、柱たちは予定外の招集を受けて産屋敷邸に集った
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
新しい柱が二人来るんだね〜!可愛い子かな〜?
悲鳴嶼行冥
悲鳴嶼行冥
嗚呼、新米な柱が二人此処にお呼ばれになった。
不死川実弥
不死川実弥
柱の二人かァ?
富岡の継ぐ子と煉獄の継ぐ子だろうなァ?
富岡義勇
富岡義勇
お館様から…やはり、榛香は柱になる道を選んだだろうか…
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
それで、お館様。新しい柱とは…?
伊黒小芭内
伊黒小芭内
「…その目は決まった目をしているな。」
連続で柱が殉職、引退した今、柱の空席は二つ


顔にはもっと空席が目立っていた時期もあるが、上弦討伐という機に際して新たな柱の誕生は追い風になるだろう
お館様
お館様
やあ、私の子供こども達。
今日は新しい柱を二人を紹介してもらおうと思う。
小柄なマフラー少女と白く蝶々の少女が二人、姿を現した


白銀の髪に水色の瞳と藤の様な花の目

1人の白銀少女は華奢な体躯には些か大きい黒いの羽織に身を包んでいる


二人目の黒い髪に薄紫のグラデーションの少女は黒い羽織に赤い椿の雪模様に身を包んでいる。


洗練された仕草で柱達の前に膝を付き、深々と頭を下げた
桜猫 雪葉
桜猫 雪葉
新しく柱の階級を賜りました、桜猫雪葉でございます

若輩者ながら、雪柱として鬼殺隊のために尽力致します
雪風榛香
雪風榛香
同じく新しく柱の階級に賜りました。雪風榛香で御座います。


雪葉同様。同じく若輩者ながら、氷柱として鬼殺隊のために尽力致します
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
きゃー!!榛香ちゃんと雪葉さん!柱就任おめでとう!

 これからは同僚ね!仲良くしましょ!
時透無一郎
時透無一郎
あれ………

 君達、見たことある………もう一人は確か同い年だっけ………
…確かに、無一郎さんは同い年かもしれない。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
…雪葉姉さん!?
桜猫 雪葉
桜猫 雪葉
ふふっ、しのぶ。同じく柱同士、よろしくね〜!
不死川実弥
不死川実弥
胡蝶の双子の姉が柱かァ…?
伊黒小芭内
伊黒小芭内
…雪風を推薦したのは宇髄だ。
…やっぱり、違和感ってあるよね…。
富岡義勇
富岡義勇
…桜猫は煉獄の受け継ぎ、雪風は宇髄が柱の推薦だ。
雪風榛香
雪風榛香
「富岡さんは受け入れてくれるのか…分からないけど…」
でも、私達が柱になる理由はみんなを守りたいからでもあるんだ。


鬼を滅した時、朝焼けが訪れるように…
雪風 桜猫
不束者ですが、早く皆様に追いつけるよう精進いたします
そして…


柱となって暫くは、多忙な日々が続いた


柱の入れ替わりにあたってそれぞれの担当地区も多少の変更があり、私は巡回や報告書の作成など、柱としての業務も覚える必要があった


それでも、元々師範についていたため慣れるまでに時間がかからなかったのは幸いだった


柱には通常個人の邸宅が与えられるが、多忙な期間で自分の家にかける時間が勿体無かったので後に回して欲しいと御館様に申し出た


雪葉も自分の家を雪柱屋敷にし、自分はもう暫くは水屋敷で過ごす事を了承してくれたので有り難かった


そんな日々の中で二ヶ月があっという間に過ぎた
富岡義勇
富岡義勇
………そろそろ里に行ってきたらどうか
富岡さんにそう言われるまで、私は刀のことを完全に失念していた



柱の証たる、刀の“悪鬼滅殺”の文字

刀鍛冶の里で刀匠に彫りを入れてもらう必要がある
富岡義勇
富岡義勇
非番も数日なら問題無いだろう
雪風榛香
雪風榛香
………そうさせて頂きます。






富岡さん
………情けない

責任ある地位に就きながらこのような調子では…




でも…富岡さんと居られるなら…それだけで良い。
富岡義勇
富岡義勇
柱か………

 ………強く、なったのだな………
非番申請の届を書いていると、唐突に師範にそう言われた
雪風榛香
雪風榛香
…師範のご指導の賜物です
富岡義勇
富岡義勇
俺には関係のないことだ
師範の表情は穏やかなので、責めたり怒ったりしている訳ではない


相変わらずの言葉足らずだけれど、これからは聞く機会も減ってしまうのかもしれない

そう考えると、少し寂しかった
雪風榛香
雪風榛香
…富岡さん、富岡さんだけは関係ない…です。
富岡義勇
富岡義勇
…榛香
…あの時、お前は鬼に殺され…血塗れだった子を自然と助けたかった。


此処を過ごして分かった、榛香の事を大切に思っていた事を…
富岡義勇
富岡義勇
………今更だが、何か祝いをしてやる

 希望はあるか
雪風榛香
雪風榛香
ありがとうございます

 ですがお気持ちだけで十分有難いので
本当に物欲なども無いし、忙しい師範を煩わせる訳にもいかない
富岡義勇
富岡義勇
なら、勝手に準備するぞ
雪風榛香
雪風榛香
えっ……?良いんですか?
どこか噛み合わない会話も、かけがえのない瞬間だということを少しづつ実感するようになっていた
富岡義勇
富岡義勇
…お前の出来る事は俺がしたい。
お前は俺の…継ぐ子だ。
雪風榛香
雪風榛香
…!あり…がとう…こざい…ます!





富岡さん…!
富岡義勇
富岡義勇
…あの時、榛香を助けて良かったと…俺は思っている。
あんな…俺みたいな思いをさせない為に助けた理由に…錆兎は知っているだろうか…。
雪風榛香
雪風榛香
「幸せな…時間はもういつかは訪れるその日まで…私が…皆を守り抜かなくちゃ…!」
大正コソコソ話!
雪風榛香
雪風榛香
いよいよ、刀鍛の里編に入りますね!
桜猫 雪葉
桜猫 雪葉
そうですね!
榛香も頑張ってね!
雪風榛香
雪風榛香
コソコソ大正話!
師範がくれたマフラーは大切にしてあります!
私は鬼殺隊でもありますが…柱になると鍛えなくちゃなりませんね!
桜猫 雪葉
桜猫 雪葉
以上!

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