サナに完全に身を任せ、スースー寝息を立てるだひょな。
もうこれ以上無理やり起こしても可哀想やし、
とりあえず風邪をひかないように と
近くにあったブランケットをそっとかけた。
プリントに目を通すや否や
何回考えても分からなかった部分が
みるみるうちに埋まっていくマジック。
あっという間に空欄はゼロに。流石や。
深夜に現れた救世主、ナヨンオンニは
ふわぁ とひとつあくびをして
そのまま寝室へ向かっていった。
時計を見るともう3時を回りそう。
サナの本来起きるべき時間にどんどん迫ってるけど
こればかりは仕方ない。
いっそ、もうこのまま起きてようかな。笑
とりあえずサナの肩で眠っている妹を起こさないと。
瞼には綺麗な二重線。
もう彼女が限界なのは一目瞭然。
毛先だけは綺麗に乾いてたけど
頭皮を触ってみればしっかり湿っていて。
お風呂上がり、ササッと結んでそれっきりだったのかもしれへんけど、、
ちょっと…これこそホンマに風邪ひいちゃうって……
サナが焦っているのもつゆ知らず
彼女は瞬く間に夢の世界へ。
もうダメだ。笑
これ全部サナがやった方が早い気がする。
急いでドライヤーで長い髪を乾かし
歯ブラシを持ってくる。
誰かに歯磨きしてあげるのなんて、いつぶりだろ?笑
サナ、一人っ子やから
誰かの身の回りのことをお世話したこと
思い返してみれば…中々ないかも。
歯磨きなんて、特に。笑
手探りでやってみたけど、大丈夫やったかな。
まぁ、磨かないで寝るより増しよな?笑
ぬくぬくの手を取り、洗面所に向かう。
一応聞いてみたけど、案の定の答え。笑
いつも通りさっと手を広げて、だーちゃんを受け入れる準備をする。
これでベッドに連れて行って寝かせれば任務完了や。
と思ったのも束の間だった。
何やろう、わがままって…
怒る…?サナが怒るようなことなんてあるっけ、、
彼女は申し訳なさそうに、でも正直な眼差しで
涙を滲ませ、サナのことを見つめながらぎゅっと抱きついてくる。
あー、あかん。
これは長い戦いになりそう。笑
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!