拝啓、お母様、お父様…。私死ぬかもしれないです…。
恐ろしいくらいに力が強い…、。本当に人間なの…?
これじゃあ、振り払えないよ…。
強く言えないんだよなー…先輩時々怖いしー…
【〜1週間前〜】
私とグリムは学園の校庭でごはんを食べていた…。
グリムは美味しそうにツナ缶を食べている。それに対して私はー…
別にいいんだけどさ…我慢すればいいだけのことだし。
痩せるな…確実に。てかもう既に痩せてきてると思う。最近貧血でフラフラするし…。
先輩らしき人がグリムを見るなり、こっちに走ってきた。
グリムは気まずそうに、私の後ろへ隠れてしまった。
珍しく今回は違うパターンのようだ。グリムはやってないと主張している。いや、絶対何かやらかしただろ。
通りすがりの生徒がそうポツリと言葉を漏らした。
フフフフフロイド!?まずいんじゃないかい私!?ああああ…もう雰囲気が893だよぉ…。
くっ…ここは…。
責任☆放棄!!………だって、死にたくないですもん。
いやいや、あなたのせいですよ。
さて、私はパン食べようっと…。
私は言い争っているフロイド先輩を見ながら、パンをたべようと口を開けた。
フロイド先輩の動きが止まった…。顔真っ赤だし。
そのまま先輩は顔真っ赤っ赤のまんまで、去っていった。
助かった…のか?
そして私は特に深く考えようともせず、過ごしてしまったー…
【現状】
もうゲッソリ…。このままフロイド先輩に絞め殺される…。てか「小エビちゃん」って呼び名どっから来たんだ…?
ふと気がつくと、あなたたちの方に足音が近づいて来る。
あなたがフロイド先輩の腕の中から覗くと、そこには赤髪の小柄だが、力強く凛々しい姿の人がこちらを見据えていた。
その声を聞いたフロイド先輩は、嫌そうに顔を歪める。
フロイド先輩がもっと不機嫌になった………。心なしか腕の力も強くなってるような…。
ガチャンー…
フロイド先輩の首に、首輪の様なものが掛かった。
怖いフロイド先輩を前に、怖気づく様子もなくそう交渉を持ちかけた。
フロイド先輩はつまんなそうにそう言い放って、モストロラウンジの方へと向かって行った。
いやー…本当に助かったぁ〜…。
それにしても何であんなに私に執着するんだろう。でもすぐ飽きてどっか行っちゃう…。
なんか…あの時みたいだな…。
顔をあげると、さっきの赤髪の人が心配そうな顔をして頬に手を伸ばしてきた。
そう言って、あなたの目元についた涙を拭った。
その時、やっと自分が泣いていることに気づいた。
そう微笑んだ顔で、私の手を掴んでお茶のお誘いをしてくれた。慰めようとしてくれていることが、嬉しくて、暖かくて余計涙がでてきてしまう。
くしゃくしゃになった顔で、そんなことを言う。
リドル先輩の寮はハーツラビュル寮って言うらしい。庭には薔薇が沢山咲いていて、とても綺麗だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!