…ゆ…
…ゆん…
しゆんー
…家の、前?
あ、そうだ渡してないんだった。
さすがに今の俺にここから橋まで行ける体力は残ってないし、ここまでゆきむら。に越させといてもう大丈夫とは言えない…。
というか大丈夫じゃない。
自分で出そうかとも迷ったけれどそうしようとしたら少し体が傾いたので、無理に動かない方がいいだろう。
肩に手を回されたまま、支えられて家の中に入る。
頷く。
これでもリビングと1部屋あるので、部屋に入って寝間着に着替えた。
部屋から出るとゆきむら。はまた肩に手を回して、俺をベッドまで連れて行った。
頭をタオルで拭かれ、冷えピタを貼られて布団をかけられた。以外とこういうところは慣れているみたいだった。
そういやコイツよく熱出してたな…w
いつの間にか寝てしまってたみたいで、
目が覚めるとゆきむら。が横にいた。
俺が目をまあまあ開くまでの一瞬、
悲しそうな顔をしてたのは気の所為だろうか。
少し体を起こす。
寝たから少し良くなったものの、まだ頭が痛い。
ゆきむら。が冗談を言いながらもお椀を渡してきたので、貰ってちょっとずつ食べる。
冷えた体にはちょうど良く、熱すぎなくて食べやすかった。
ゆきむら。が少し微笑んだ。
でもそれは一瞬で、また少し悲しそうな顔をしていた。
やっぱり俺がやめようとするのが嫌なのだろうか。
俺は俺で辛いからやめたい。
グループを辞めたいとは思わないものの、人生を辞めたいと思ってしまう。
っていうかそうすれば必然的にグループも辞める事にはなるのだが。
ずっと聞きたかった。
ゆきむら。はグループを、騎士を辞めている。
結構鳩が飛んでくるのも辛いだろうし、多分俺よりもゆきむら。の方が1人だと思うんだ。
…???
置いてきた…?
何も言えなかった。
でもゆきむは悪くない。俺がそま達に言わないから…だから…
ヒラッ
目の前にティッシュを差し出された。
泣いてないよ…。
そう言ってゆきむが目元を拭いてくる。
出来ることならもっと泣きたい。
もう放っておいて欲しい。
覚えてないかな。
俺、ゆきむ尊敬してたんだよ。
グループやるの 凄く嬉しくて楽しかったんだよ。
カラオケも実は結構楽しかった。
あそこら辺から仲良く出来てなかったかな。
気の所為だったのかな…全部。
だとしてもさ、こうして来てくれると
また 一緒に居たいって思っちゃうんだって。
話して欲しいって…
離れられな…
ギュッ
ゆきむが…急に抱きついてきた。
え、何…?
や…え?
…え。
そう言ったゆきむの顔は赤かった。
耳の先まで結構赤くなっていて、思わず笑ってしまった。
ゆきむに抱かれたまんま、2人で笑いあってた。
そっか、あんまり自分から人にボディタッチとかしに行かないゆきむが、最近やけに撫でたりしてくれるなって思ってたら…
心配、してくれてたんだ。
そう言ってゆきむを抱き返した。
ゆきむは微笑んでくれた。
いつもこんな俺を気にかけてくれてありがとう。
これからも…たまにでいいから…
9月28日
#しゆん 2022年生誕祭
おめでとうございます。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!