智将side―
俺の片思いはここで終わった。
あなたの下の名前と主人の並ぶ後ろ姿を見ながら、そう思った。
主人の足が止まり、「昨日の返事」と切り出し、言葉を続ける。
あなたの下の名前の顔が一瞬にして曇った。
その後も主人は言葉を続け、あなたの下の名前は震えた声で簡単に挨拶をすると、去っていった。
気が付けば、俺は主人格になっていた。
主人は眠っているようだ。
あなたの下の名前は昔から辛いことがあれば、すぐ公園に行って一人で泣いていた。
きっと、公園にいるはずだ。
ブランコに腰掛け、目元をこすっているあなたの下の名前がいた。
俺はあなたの下の名前に静かに近づき、あなたの下の名前の涙をぬぐう。
あなたの下の名前は驚いたように顔を上げた。
眉を下げ、無理やり笑って見せるあなたの下の名前。
あなたの下の名前の告白を断るってことは、”そういうこと”だよな、主人。
もう、覚悟は決めた。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!