僕がこうなってしまったのは大ちゃんが悪いんだよ。
僕はずっと大ちゃんの事が好きなのに、大ちゃんが僕以外を見るから。
僕は大好きな大ちゃんを手に入れる為だったら、何だってするから。
最近、誰かにずっと見られている気がする。
元々、インドアやし仕事以外での外出が多いわけではない。でも、その度になんとなく誰かにつけられているような感覚。
その違和感は間違っていなかった。
そこには仕事の送迎から仕事終わりでコンビニに寄った姿、オフで廉や正門と会っている時とか、24時間、365日監視されてるんやないかってくらいの大量の写真が並べられていた。そのほとんどが自宅周辺から撮られていた。その写真と一緒に『君が欲しい』と一言手紙が添えられていたらしい。
やっぱり、最近、感じていた違和感はコレやったんや。こうなった以上、犯人が分かるまでなるべく家から出ない事を今まで以上に徹底するべきやし、あとはマネージャーさんから提案された引っ越し。これを早急にしないといけない。
それまでの間はホテルを転々とする事になりそう。
はぁ、ストーカーとか正直、怖いししんどい。
今日は7人仕事やしとりあえず気分切り替えて頑張らないと…。
あかん、流星に心配かけてる時点で全然あかんやん。ちゃんと気持ち切り替えな、こんな怖い事流星に知られたら、流星が可哀想やし。
俺はいつものようにふざけて流星をハグする。
これが日常。俺はいつもの西畑大吾にちゃんとなれてる。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!