ガチャ
シュアオッパに
おんぶのお礼を言って
自分の部屋に行った。
まあ、自分の部屋と言っても
私を含めるジュニオッパとディノの
三人部屋だけど…ㅎ
ルームメイトがいると
どうも気が休まらない。
心の闇だらけの私が
いつ本当の自分を出せばいいのか…
タイミングが本当にない。
このまま、本当の自分を押し殺して
過ごしたら
きっと、心が壊れるんだろうな。
そしたら、その時は
自分からこのグループを辞めようかな。
メンバーからのイメージ上、
私はため息だってつけない。
だって、みんなが思っている私のイメージは
『いつも笑顔で元気な可愛いあなたちゃん』
だから。
ため息なんかついたら
それこそ質問攻めされて
余計疲れることになる。
笑顔でいればいい。
口角を少し上げるだけ。
それだけ。うん。簡単。
そんなことを考えていると
ガチャ!と勢いよくドアが開いた。
天然な女の子のフリ。
これにはだいぶ慣れた。
馬鹿みたいにびっくりすればいい。
そのあと、大丈夫だよぉㅎなんて言いながら
ニッコリ笑う。
このことを世にいう
『ぶりっ子』というのだろう。
私の世間からのイメージはまさに『ぶりっ子』。
女が一番嫌うタイプの女だって。
そんなこんなで、私には女性のファンが少ない。
たまに私のことが好きだ
なんて言う物好きもいるけど。
私のことが好きだなんて…変なの。
当たり前でしょ、最後なんだから。
お風呂ぐらいゆっくり入るっつーの。
てか、ゆっくり入らせて。
頭の中の私はものすごく口が悪い。
たぶん、頭の中の色は「黒」一色。
鮮やかな色なんて少しもない真っ暗闇。
みんなのイメージの「私」からは
程遠く、かけ離れたもう一人の「自分」。
こんな私を知ったら
ファンどころか、メンバーも
きっと私を嫌うだろうな。
好かれなくていい。
でも、嫌われたくない。
だから、今はこのまま。
ただ淡々と「本当の自分」を殺すだけだ。
『可愛いあなたちゃん』に
鼻歌は必須なんだ。
そんなことが
頭の奥の奥まで染み付いている________
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!