秋の終わり、冷たい風が東京の街を吹き抜ける頃。康二は、ひとりで事務所の屋上に立っていた。
夜空には星が瞬いていたが、康二の心にはまだ霧がかかっていた。
その言葉は、もう何度も心の中で繰り返されていた。
でも、今夜は違った。
ポケットから取り出したのは、メンバーからもらった手紙の束。 誕生日のとき、ライブの節目、何気ない日常の中で渡された言葉たち。
『康二へ。君の笑顔が、俺たちの支えだよ』『一緒にふざけて、一緒に泣いて、一緒に笑っていこう』『SnowManは9人。それ以上でも、それ以下でもない』
その言葉たちが、康二の胸に静かに染み込んでいく。
翌日、康二はメンバー全員に手紙を書いた。
楽屋でその手紙を読んだメンバーは、誰一人涙をこらえられなかった。
深澤がそう言って、康二の肩を抱いた。
ラウールが笑顔で手を握る。
目黒が静かに言ったその言葉に、康二は深くうなずいた。
そして、9人はステージに立った。
スポットライトが康二を照らす。 その笑顔は、以前よりも少しだけ柔らかく、でも確かに本物だった。
ファンの歓声が、彼の心に届く。
その声に、康二は胸を張って答えた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!