第5話

朝になっても、夢のまま
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2025/08/03 13:34 更新
あのあと、私はいつの間にか眠っていた。
かけられたシーツの中に、体温と微かな痛みだけが残っている。
──その横で、松村さんは目を閉じずに座っていた。

薄暗いベッドルーム。
静かすぎて、呼吸の音まで聞こえる。

見ているのは、私の顔。
松村北斗
こんな顔、現場じゃ絶対見せないよな
優しく笑いながら、彼は指先で私の前髪をそっとよけた。
その動きすら、触れたら壊れそうな静けさを持っていた。
松村北斗
なんで…こんなに惹かれてんだろうな
そう呟いても、返事はない。
私が、静かに寝息を立てているから。
松村北斗
バレたら、お前は終わる。俺も、きっと笑えなくなる
それでも、手を離せなかった。
松村北斗
だから今だけでもいいって、思っちゃったんだよ
自嘲じちょうぎみにそう言いながら、
彼はベッドに身体を横たえた。

シーツの中で、眠る私の背中にそっと腕をまわす。
その手に力をこめた瞬間──
あなた
ん、松村…さん
寝ぼけたように、私が彼の名前を呼んだ。

彼は目を閉じて、小さく笑った。
松村北斗
ごめん。もう…止められそうにない
☀️朝
カーテンの隙間から差し込む光に、
私はまぶしそうに目を細めた。
重なる体温。温かい腕の中。
最初、夢かと思った。

だけど、頬に触れる指があまりにもリアルで、
思わず見上げる。
松村北斗
おはよう
少し眠たげな目で、松村さんが私を見つめていた。
あなた
昨夜のこと、夢じゃなかったんですね
そう呟くと、彼は小さく頷いたあと、
真面目な声で言った。
松村北斗
夢じゃない。でも、これは現実にしちゃいけない関係だ
その言葉に、胸がちくりと痛んだ。

それでも、
腕の中はあたたかくて、
キスした唇も、どこか名残惜しげだった。

終わらせたくない。
そう思ったのは、きっと私だけじゃない。

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