"Hold my hands."
オレンジ色に染まる放課後の帰り道。
アスファルトを滑る独特のガラガラという乾いた音が、静かな路地に響く。
いつもの通学路。
重いスクールバッグを肩にかけ、何気なく音のする方へ視線を向けた
その瞬間、私の動きがピタリと止まった。
夕日を背に向けて、軽快にスケートボードを操る1人の男子。
ゆるっとしたストリート系のTシャツに、どこか気だるげで男性な横顔。
彼がボードのテールをパチンコ弾いて綺麗にジャンプを決めた直後、
勢いよく振り返った彼の瞳と、私の視線が真っ直ぐかさなった。
彼の名は、アンゴンホ。
同じ街に住む、けれども学校も学年も知らない、どこか人を惹きつける不思議なオーラを纏った男の子。
目が会った瞬間、彼は驚くほど無邪気で人懐っこい笑顔を浮かべ、スケボーに乗ったままスルスルと私の方へ近づいてきた。
gh「あ、びっくりした?急に目の前に出てきてごめんね」
それが、普通の高校生だった私とゴンホの全ての始まりだった。
ゴンホと出会って、私の通学路は特別な場所になっていた。
彼はいつもスケボーを片手に通学路の近くにある公園で待っていて、気づけば私を家まで送ってくれるのが毎日の日課になっていた。
ある日の夕暮れ。
いつものように公園のベンチで、彼がスケボーのトリックを練習するのを眺めていた時のことだった。
gh「ねえ、ちょっとこっちきて」
ゴンホが少し悪戯っぽく笑いながら、私を手招きした。
言われた通り近づくと、彼は自分の乗っていたスケボーを私の足元に差し出してくる。
gh「ちょっと乗ってみる?大丈夫、俺がちゃんと支えてるから。」
「えっ、無理だよ、転んじゃう」
躊躇する私の手を、ゴンホは「俺がいるから。おいで」と言って、自分の大きな手でぎゅっと包み込んだ。
彼の手は想像以上に硬く、そして驚くほど暖かい。
男の子の体温を至近距離で感じて、私の心臓がドクンと跳ね上がった。
両手を支えられながら、恐る恐るボードの上に足をのせる。
グラリ、と身体が揺れた瞬間、ゴンホは私の腰を優しく両手で抱き寄せた。
gh「っと、危ない。…捕まってて」
顔が触れそうなほど近い距離で、ゴンホの瞳が真っ直ぐ見つめてくる。
いつも通りの明るい笑顔とは少し違う、真剣で優しい眼差し。
支えられた腰から伝わる彼の体温に、時間が止まったような感覚に陥る。
gh「…実はスケボーの練習だけが目的じゃなかったんだ」
ゴンホが照れたように少し視線を落とし、小さな声で打ち明けた。
gh「あなたが通るのを待っている時間がいつの間にか楽しみになってた。」
「…ただの友達じゃなくて、それ以上になりたいって言ったら、困る?」
その言葉は、夕暮れの静かな公園に心地よく響いた。
真っ直ぐな告白に胸がいっぱいになって、言葉の代わりに彼のシャツのそでをぎゅっと握る。
「ずるい」
gh「ごめんㅋ」
二人の影がオレンジ色の地面に長く伸び、爽やかな風が吹き抜けた。
それは、トップアイドルを目指す前の、1人の少年としての彼と過ごした、
かけがえのない青春の記憶。
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안건호 2009(17)
"俺はさ、世界で君の笑顔が1番好きだよ"











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!