クリスマスにアマリザくんとデートに行ってからは、
特に何もなく、わかゔぁくんと3人で
大みそかを過ごした。
お母さんは余命が短くなってから治療を止めていた。
癌の治療は、すればするほど体力を奪うから
これ以上の治療はダメだ、と医者から止められていた
そして、年が明けた。
お母さんは今月までだって言われている。
今でもそれは本当なのか信じられない。
いや、信じたくない。
でも、冗談でそんなことを言う人
では無いのは分かっている。
だから、嘘じゃないってことだけがはっきりして、
弱っていくお母さんを見ることしかできなくて…
1月になってから、お母さんの体調が
急激に悪くなった。私は気づいた。
今までは癌が息を潜めて待っていたんだ。
お母さんが弱るのを。今か今かと。
でも、お母さんの前では明るく振る舞う。
お母さんが1番怖いのをわかっているから。
家では何度も泣いている。私が泣くたび、
アマリザくんは私が泣き止むまでそばに居てくれる。
アマリザくんが辛そうなときは私がそばで支える。
1月10日 日曜日。
病院
近くで聞かないと聞き取れないくらい小さな声。
この声にまた心が痛くなる。
アマリザくんの力強い言葉に気圧されて、
私は否定することが出来なかった…
お母さんのその言葉は小さかったけど、
芯が強くて、妙に安心出来る声だった。
そうして、3人で病室を出る。
病室を出る前、お母さんが寂しそうな顔を
していたような気が…
わかゔぁくんと分かれて、家に着いた。
家に着いて、大きく深呼吸をする音が
隣から聞こえた。
やっぱり…
アマリザの部屋
少しの間、沈黙が続く。でも気まずいという
訳でもない。2人とも気持ちを整理しているから、
話している余裕がないだけ。
そして、先に口を開いたのはアマリザくんだった。
ぽつりぽつりと出てくる彼の言葉を一言一言
しっかりと聞きながら、私は黙って頷いていた。
それからは2人とも笑い合って、
いつもの雰囲気が戻った。
やっぱり笑ってるアマリザくんが1番好きだな
余命 約20日















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。