第34話

story 34
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2022/11/10 06:00 更新
~あなた’s side~



…これからどうしよう



思わず照史の家を出てきちゃったけど、カバンもそのままで

スマホはあるから、電車には乗れるけど



鍵もお財布もない状態で、どうやって家に帰ろう



でも、今更あそこにも戻れないし…

時々、シーゴーの散歩に来る公園のベンチに座り、これからのことを考えてた



…照史の友達、がっかりしただろうなぁ



こんな私が彼女だなんて、やっぱり釣り合わないんだって思う

そして、そのことに自信が持てない自分も嫌いだった



…公園の隅のブランコが目に入る



ブランコの揺れって精神安定にいいんだったっけ?

昔、お家に帰りたくなくて、永遠とブランコを漕いでいた夕方を思い出す



あの頃も今も変わらない、結局1人なんだって



そんな気持ちを押し殺して、目を閉じたままブランコに揺られていた
照史
良かった、ここおったか…

ふと照史の声が聞こえて目を開けると
あなた
…あきと、

目の前に照史がいた
照史
酒飲んで走るの、マジキツイって

走ってここまで来たのか、照史の顔は赤くなってて、息もきれぎれだった
あなた
…何で分かったの?
照史
何となく、ここやないかなって

そう言って私を見る照史の目は優しくて、余計に泣きたくなる
照史
ほら、帰るで…

差し出された手を掴めないでいた
あなた
ごめんね、照史……
照史
何謝ってんねん
あなた
だって私、全然いい彼女じゃないし
あなた
きっと照史に似合わないって……

口に出した言葉が思ったより悲しく響いて、涙が零れた
照史
何アホなこと言うとるん?

照史が私の前に屈み、視線がぶつかる
照史
あなたは俺の大事な人、何があってもそれだけは忘れといて

…ホントに私でいいの?



そう思うと胸が苦しくて、溢れる涙が止まらなかった

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