~あなた’s side~
…これからどうしよう
思わず照史の家を出てきちゃったけど、カバンもそのままで
スマホはあるから、電車には乗れるけど
鍵もお財布もない状態で、どうやって家に帰ろう
でも、今更あそこにも戻れないし…
時々、シーゴーの散歩に来る公園のベンチに座り、これからのことを考えてた
…照史の友達、がっかりしただろうなぁ
こんな私が彼女だなんて、やっぱり釣り合わないんだって思う
そして、そのことに自信が持てない自分も嫌いだった
…公園の隅のブランコが目に入る
ブランコの揺れって精神安定にいいんだったっけ?
昔、お家に帰りたくなくて、永遠とブランコを漕いでいた夕方を思い出す
あの頃も今も変わらない、結局1人なんだって
そんな気持ちを押し殺して、目を閉じたままブランコに揺られていた
ふと照史の声が聞こえて目を開けると
目の前に照史がいた
走ってここまで来たのか、照史の顔は赤くなってて、息もきれぎれだった
そう言って私を見る照史の目は優しくて、余計に泣きたくなる
差し出された手を掴めないでいた
口に出した言葉が思ったより悲しく響いて、涙が零れた
照史が私の前に屈み、視線がぶつかる
…ホントに私でいいの?
そう思うと胸が苦しくて、溢れる涙が止まらなかった












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!