♥  あなたの下の名前 side  ♥

  



   知らない男の人が来て

   抱きつかれて

   目の前が真っ暗になって ...

   そこで目が覚める

  

 最近毎晩同じ夢を見る

  「  あなたの下の名前 、早く起きなさい  」

1階からお母さんの怒鳴り声が聞こえてくる

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   「 何で私があんたを起こさないといけないのよ  」

   「 きっしょ 。こっちみないでよ 」

   「  ...  」

   冷たいお母さん

   反抗期の妹

   無口な弟

   ... そして 、

   「  気色悪ぃ 永眠してろよカス 、長女のくせに 。 」

   「 もっと酒買ってこいよ ｣
 
   「 まったく頼りにならん妻だなほんっとにお前は  」

   「  ... ごめんなさい  」

   朝からお母さんと私に罵詈雑言


   お酒に溺れたお父さん

   お父さんがお金を稼いでるから誰も反抗しない


   誰も助けてくれない

   ... こんなの 、家族じゃない

   もちろん嘘 

   こんな家から早く出たかっただけ

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   公園のベンチで空を眺める

  乱暴で怖い父

  冷たい母

  傍観する兄弟



  お互いに一切興味がない

  私が居なくなっても誰も困らない ...

  紫色の髪の毛

  黄色い目

  ... 不良じゃん絶対

  ... こわい！！！

  

  早く逃げよ ...

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急いで走ってきたから知らない所に来ちゃった ...

  遠くから 、1人の男の人が歩いてくるのが見えた

男の人との距離がどんどん縮まっていく

  大丈夫 、あれは夢 、あれは夢 ___ ！！

  なんだ 、よかった 、やっぱりあれは夢 ...

良かった ... 何もされてない 、

あれはやっぱり夢 、正夢じゃなくて良かった ...

誰かが急に背後から抱きついてきて

私の口をハンカチで覆った

意識が朦朧としていく

   私はそのまま

   目の前が真っ暗になった

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