第3話

No.2
164
2024/04/09 09:54
りうらside

最近、体調を崩すことが増えた。

例えば、この前みたいに急に頭が痛くなったり、急に吐いちゃったり。
それでメンバーに心配されていたので(特にないくんが)1人で病院に行くことにした。
ないくんが「一緒に行こうか?」といってくれたけど、遠慮しておいた。

だって…もしものことがあったら、それはないくんにもみんなにも知られたくないから。

まぁそれはないだろうけど。

昔から健康体だったし

病院で名前が呼ばれ、お医者さんに最近の体調のことについて話すと、検査をすることになった。

ドラマとかでよく見る水色のやつを着て、詳しい検査をするらしい。

違和感を覚えなかったというと嘘になるけど、まさか自分が病気なわけないと思っていたから、込み上げる不安を無視した。

色々な検査をして、やっと解放された。

検査の結果が知らされるのは一週間後らしい。

そこでまた、嫌な予感がした。

一週間後に知らされるとか、なんか怖い。

メンバーに今日病院行くとはいってないから、一週間後までは教えないことにした。

……なんとなく、そうした方がいいって思ったから。
一週間後

またメンバーに内緒で病院に来た。

少しの不安を抱え、先生に結果を聞く。
お医者さん
お医者さん
検査の結果ですが……
先生は少し曇った顔をしていた。

…え?  
もしかして、よくない結果だった?
お医者さん
お医者さん
落ち着いて聞いてください。
りうら
りうら
あ、はい…?
アニメで聞くような台詞を言われて戸惑いつつも頷く。
お医者さん
お医者さん
りうらさんは---病気です。
りうら
りうら
え………
病気…?
本当によくない結果だったんだ……。

いや、でも、すぐに治る病気かもしれないし…。
お医者さん
お医者さん
脳に腫瘍が見つかりました。
この検査で、その腫瘍が悪性であることがわかりました。
お医者さん
お医者さん
脳腫瘍という病気です。
りうら
りうら
脳腫瘍……
お医者さん
お医者さん
はい。 それで…
りうら
りうら
…な、なんですか?
お医者さん
お医者さん
りうらさんの病気はかなり進行してしまっていて、……もう……手の施しようがないんです…。
りうら
りうら
え………?
それって僕は………………。
お医者さん
お医者さん
延命治療をしても、一年生きられるかわかりません。
お医者さん
お医者さん
延命治療をしなかった場合、残りの寿命は5ヶ月です。
りうら
りうら
残り、5ヶ月……?
今日は7月15日だから…僕は、12月15日に死ぬ…?
---そこから先のことは覚えていない。
気づいたら家にいて、まだ自分が死ぬということが理解できなかった。
メンバーに言おうか……?
……いや、それはできない。
僕の両親は数年前に亡くなっていて、あの時の悲しみは計り知れない。
あの悲しみと絶望をメンバーに味わわせるのは嫌で、メンバーには言わないことにした。
でも……、僕が死んだら悲しむんだから、いつかはバレるし、悲しまれる。
なら、どうすれば---
----その時、最低な考えが頭をよぎった。
できるわけない。
やりたくない。
でも……そうすれば、僕が死んだ時、メンバーは悲しまないのだ。
やってみてもいいかもしれない。
---メンバーが僕が死んだことを喜ぶくらいに、彼らに嫌われる、なんてこと。

プリ小説オーディオドラマ