『赤音様』
524という病室番号の下に、そう書かれていた
病室に入ると、そこには微かな息で必死に生きようとしているRiがいた
まだ起きていないようだが、やっぱり生きていてよかった。
Riの寝ているベッドの隣りにある椅子に、僕は静かに腰を掛けた
Riは死んだわけではない。まだ生きているんだ
Riが生きているからには、なんで自分から死ににいったのか、ちゃんと問いたださないと。
コンコンッ
病室の扉を2回ノックする音がした
警察関係、おそらくRiのことを調査するつもりだろう
調査といっても、多分Riの様子を見に来ただけだろうけど
ただ、青ちゃんの様子がおかしい
感がよく、天才である青ちゃんの疑問を見逃すわけには行かない
青ちゃんが何かを言いかけたときに、タイミング悪く警察が病室に入ってきた
この作品の自分で言うのもアレだけどめちゃ気に入ってる
実は『次男だから我慢』よりも気合を入れている作品なんです
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!