後輩ちゃんの告白、ちゃんと聞いたかな?
ほんのり赤い治の耳が可愛く見える。
勇気出した本気の告白をスルーできるほど、
治は薄情じゃない。
お似合いだったのに。
後輩ちゃんも、いつものファンと違って
本気で治が好きだったんだと思う。
いい子だし、可愛いし。
あんな可愛い子を振るなんて、
もったいないヤツめ。
私だったら即彼女にしてる。
え?
私だけ恋だの愛だの追いかけてたみたいで、
馬鹿らしくなってくる。
いつものように大きな声で私を呼ぶ。
両手をブンブン振って、笑顔でこっちに来る。
あの角名が自主練…
いつも「めんどい」「いや」って言ってる
あの角名が…?
自主練後、
そろそろ7時半。
急に空いた体育館のドアと
北さんの圧に驚きながらも、
私たちは帰ることにした。
更衣室で制服に着替えて、
いつものように裏の道を通ろうと思ってた。
嘘。
本当はちょっぴり怖い。
実は前に後ろで付けてきた人がいた。
最近は見かけていないけど。
その人は黒い服装で私が止まれば止まり、
走れば走ってきた。
あ、怖いかも。
笑顔で手を大きく振って、
暗い道を見る。
いつもの時間帯なら、全然怖くない。
この薄暗さと道の凸凹感が、
妙な雰囲気を放っている。
後悔してももう遅い。
なるべく近道を通ろうと、いつもと違う道を選ぶ。
早く帰ろう。
そこには、制服姿の角名が立っていた。
そう言って、私の半歩前を歩く角名。
私の肩にかけていたカバンをサッと自分の肩にかけて
早く行くぞと言わんばかりの速さに
私も早歩きで着いていく。
隣に人がいる。
気づいてくれたことが嬉しくて、
思わず頬が緩んだ。
けど今は角名いるし。
少し下を向いて、目を合わせてくれない。
呼んでもこっちに振り向かず、
私に歩幅を合わせてくれる角名。
へんなの。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。