第3話

雪が溶ける程熱い想い ltmz
226
2024/02/13 15:00



mz
あ、らてさん。
mz
…今日バレンタインですけど、誰かに渡すんですか、?

mz side


言っちゃった…。
聞きたくない、でも、もし誰かに渡すのなら…
その誰か、が。
私だったらな、なんて。

lt
ん~…。まぁ、いるけど…

mz
や、やっぱいますよね。

思いっきり苦笑いだ、私。
でも、どうしてもこの恋は諦めきれない
女の子同士だし、
らてさんからも気持ち悪いって思われるかな…。
けど、…諦めたくないけど…


諦めるしか、ないのかな

lt
みぞれさん?
mz
えっ⁉
mz
っあ、
mz
すみません…ボーっとしてて…、笑

こんな事してたら嫌われちゃうかな。
でも、この辛いままなら、嫌われた方が楽なのかな、
嫌われるのは怖いから、
出来ないけど

lt
…しっかり話聞いてくださいよ~

mz
はい…
lt
あ、そう。
lt
みぞれさんは?

mz
え?

lt
みぞれさんは誰かに渡すの?

真剣な眼差しでこっちを向いて聞いてくるらてさん。
私の右ポケットにある袋には、渡すか迷っているチョコがある。
相手は勿論。
らてさんだ。
「友チョコ」じゃなくて、「本命チョコ」で。
mz
…秘密です。

あぁ、また逃げちゃった。
今ここで友チョコ名義でも渡せば良かったのに、
lt
え~、教えてよ~

なんか、もう、
気持ちだけ伝えて、嫌われて終わろうかな
このままの方が…
きっと辛いよね


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lt side

超気になる

みぞれさんのチョコは誰の元へ行くのか。
できれば私がいいな…とか…思うけど、

でも、まぁこの恋はもう諦めてる
女の子同士なんて幾ら優しいみぞれさんでも気持ち悪いって
思うでしょ、

私じゃない。
そうわかっていながらもやっぱり気になる

lt
ねえ!教えてよ~‼

mz
mz
さんですよ

lt
え?誰?

mz
ら、てさん、です…

lt
…え?

思っても見ない言葉に驚く。
だって、みぞれさんの好きな人が、私?
夢にも思わない言葉。
嬉しい、嬉しいのに、言葉が出ない

mz
…っ…
mz
ご、ごめんなさい、気持ち悪いですよね
mz
それでは、

lt
え…

走ってどこかへ行ってしまった。
…嫌われた?

なんで、言葉が出なかったんだろう。
素直に、嬉しいって言えたじゃん。

私って、そんな臆病?
…いや、臆病か、みぞれさんみたいに、勇気出して
言うこともしなかったんだもんね、

…ここで、諦めたくないよ…

下を向くと少し、雫が
垂れ落ちてきていた。

それと同時に、スマホが鳴った。

lt
…?

mz
ごめんなさい。


lt
…っ。

「ごめんなさい」この一言を彼女に言わせて、
これで、終わるの?
こんなん、どっちも不幸じゃん…。
私が、動くんだ、。
みぞれさんばっかりに、任せない
もう、任せない。
私が引っ張ってくよ、

待っててね。みぞれさん。


-------------

mz side

これで、良かったのかな…

いや、良いよね…、
だって、らてさんの顔、怖くて見れなかったけど…

きっと、引いてるよね。

mz
うぐっ、…っ…あッ、

あれ、?
なんで、…下にあった筈の雪が溶けてくの?

…雫が雪の上に落ちてく。
私…こんなにらてさんのこと好きだったんだね…


そんな事を思っていたその時。

lt
っ…
lt
みーぞーれーさーん゛ー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

とんでもなく大きくて、
少し震えていて、今、一番想っていた人の声が聞こえた。

今はもう夕方、下校中の生徒が大半。
そんな中、私を、見つけようとしてくれてる…?

up
うるせえ゛ええええええええええぇ!!!

下校中のうぱさんに怒鳴られてる。
やっぱ、うぱさんとかのほうがお似合いなのかな…

lt
みぞれさんっ。どこおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!

「みぞれちゃんなら、さっきあっち側行ったよ〜」

らてさんの大きい声で、
沢山の人ががやがやして、情報を出し合う

あれ、…なんか、足音が…

lt
みぞれさんっ!!!!

mz
ひゃ、ぁッ‼

情けない声を出してしまった…。
恥ずかしい…

lt
みぞれさん‼
lt
両思い、だーよ、ね?

mz
…え?

は?え?
急すぎる。

lt
みぞれさんからのチョコは美味しく頂くから早く!
lt
私今日バレンタインなのに塾あるの~、
lt
宿題終わってないし、
lt
答えも貰ってないからみぞれさん教えて~!!!!
lt
今日は、私の家にきて!
lt
あ、お泊りする?じゃあ先にみぞれさんの家いく?
lt
私の塾の間暇だろうしなんなら一緒に塾くる?

mz
すとーっぷ!!!

らてさんのマシンガントーク…
どんどん話が進んじゃう。

mz
ちょ、ちょっと待ってください!
mz
両思い⁉ってどうゆうことですか!?

lt
え、だから、2人共好きだったってことじゃないの?

え?
lt
みぞれさんは私のこと好き?

mz
は、はい…

lt
私も好きだよ。

mz
…え?

理解が追いつかない

lt
だから、両思い

lt
私もみぞれさんにチョコあるからさ、
lt
2人でホワイトデーそれぞれにお返ししよ?

mz
…ほ、ほんと、ですか?

lt
うん。当たり前。
lt
このらてが嘘なんかつくと思う?

思います、とか、そんな事は引っ込めて、
mz
じゃあ、お泊り、しますか?

lt
いいの⁉よし、私の家まで行くぞ~!



隣で嬉しそうに話すラテさんを横目に、
この先も、2人でこうして話せたらいいな、って

思っちゃうな、


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lt side


臆病なまんまじゃ嫌だし、
みぞれさんも結構臆病だから
私がみぞれさん引っ張って、
この、幸せで、雪が溶けちゃうような空間を
守り続けたいな~、なんて

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