前の話
一覧へ
次の話

第6話

5 依頼
86
2023/11/16 10:00 更新
ジョイル
ミューズ。
帰りが遅いな…
あいつはやれる時とやれない時の区別がつかないからな。

彼は、サーチ・アンド・デストロイが指した場所へ一人で向かっていった。
あの時は、フレッチャはツィオーネを倒しに、
俺はやらなければならない事務を行っていたから仕方がないことだったんだが、

さすがにこの事件のボスに一人ではキツいか…?

…もし、倒せなくてもここに来たディアボロとかいうやつに手伝わせてどうにかするか…

今は夜で、俺はある書類の作成をしている。
外はもう暗く、その暗闇に誰かがいたとしても気づかないだろう。



ガタッ…
ジョイル
…お
帰ってきたようだな…

事務所の入り口に、ぐったりした様子の彼がいた。
ジョイル
…始末はできたのか?
…奴の腕は、ミューズの何倍も上だ。

おそらく倒しきれていない。
ミューズ
…悪い、ダメだった…
その声は、落胆の色が隠しきれていない。
…まあ仕方ないだろう。
ジョイル
…今日はもういい。休め。
疲れきっている彼に、ディアボロが来たことを知らせるのは少しキツそうだな…

ミューズは階段を上っていった。


″ガンズ・アンド・ローゼズ″…
逃げる手段があって良かったな、ミューズ。
???
…!
その人物は、大きく反応した。
かなり動揺している。
???
どうしたんだ、カルト?
金髪の男が、″カルト″と呼ばれた人物に話しかける。
カルト
…ツィオーネが死んだようだ。
その場にいたカルト以外の2人は息をのむ。
カルト
彼の死体が回収される前に″魂″を取っておきたい。
???
…分かった。
ただ、少しでも遅れたら、俺が迎えに行くぜ。
異常と思うほど冷静な眼差しをしている。

紺色の眼をした男が勇む。
カルトは、ゆっくりと頷く。
カルト
今は夕方だ。
誰かに見られる可能性が高い。
カルト
…顔変をくれ
金髪の男は、古びた棚に乗っている
淡い青色の火を手に取った。
火といっても、その形はいわゆる、″人魂″である。

その棚にはそれの他にも同じものがたくさんある。
カルト
よし、では行ってくる。
魂は、いつの間にか手から消えていた。
フレッチャ
…ディアボロさーん
フレッチャ
起きてくださーい
…声。

この前会ったフレッチャとかいう男の声…
…?
俺は、今───
ガバッ。
俺は思い切り布団をぶっ飛ばす。
フレッチャ
ちょっ…いきなりビックリするなぁ…
彼は優しい微笑みを見せて言う。
フレッチャ
朝ごはん食べるついでに紹介しなければならない人がいるんだ。
ディアボロ
黙っているのに気づいたフレッチャは
話を早く進めることにしたようだ。
フレッチャ
…まぁ、とりあえず俺についてきて
自分の部屋のドアを開け、下に続く階段を進む。

下りると、俺は視線が突き刺さるのを感じた。
警戒の眼。

昨日会ったジョイルと、もう一人は…見たことがない。
おそらくそれが、フレッチャの言っていた『紹介しなければならない人』だろう。
フレッチャ
おはよう!
フレッチャ
この人は″ディアボロ″。
フレッチャ
そして、ディアボロ、この人が″ミューズ″。
紹介されたミューズは、軽く礼をする。
ミューズ
…なんで新しい人がいるんだ?
ダルそうに言った。
フレッチャ
いや…
フレッチャが言いかけるところを、ジョイルが割り込んだ。
ジョイル
ミューズ。ツィオーネを倒したのは、ディアボロだ。
ジョイル
奴らのメンバーを殺したからには、こいつが狙われるのは必然。
…ずっと溜まっていたイライラを、少し発散させることにした。
ディアボロ
…ちょっと待て、『こいつ』というのはないんじゃあないか?
ジョイル
あ?お前は守られている身なんだぞ?
ジョイルも高圧的な態度で返す。
ギスギスした雰囲気になる。
ミューズ
…わかった、もういい。
ミューズ
で、今日は何すんだよ?
ミューズは話題を変えた。
それに、ジョイルは感情を抑え込み、話し出す。
ジョイル
…まず、昨日、二つ依頼が来た。
ジョイル
そのうちの1つは…あー。
調べてもらって、スタンドとは関係ないことが分かった。
スタンド。
それによる事件。

ここは、事件の依頼を受け付けている所。
それ以外は誰かに調べてもらって、判別しているのか…
ジョイル
…で、もう片方の依頼。
ジョイル
ほぼ、間違いなく、『フロイド』の仕業だ。
『フロイド』…?
当たり前だが、俺はその名を聞いたことがなかった。
2人を見てみると、フレッチャは歯を食い縛り、ミューズは呻き声をあげていた。
ジョイル
ディアボロ、これを見てくれ。
提示されたのは、とある資料だった。

『フロイド・パンサー』…
スタンド能力は『ボン・ジョヴィ』。

そしてその横には顔写真が載っていた。
金髪の男だ。
ディアボロ
これが、フロイド…
ジョイル
ああ、スタンド能力は分からんが、名前だけ情報を入手した。
それは意味がないのではないだろうか。
ジョイル
…その依頼なんだが、ディアボロとミューズが行って欲しい。
なに…?

俺と、ミューズで…
ミューズ
おいちょっと待て、俺はこんな奴を信用できねーぞ
ジョイル
いや、例えディアボロが攻撃してきたとしても、
お前のスタンドなら十分逃げられるだろう。
む…
いや、ほぼ初対面の相手に信頼は持てないのは当たり前か。
そもそも俺自身、あのときは何もかも疑っていたからな───
ジョイル
よし、じゃあミューズ、お前に依頼の紙を渡しておくから、
二人で行ってこい。
ジョイル
…あと、もう1つ、ミューズ、弾丸を二つ貸してくれ。
ミューズは言われた通りに、近くの金属製の机の引き出しを開け、
マッチ箱を取り出した。

その中から、弾丸を二つ取り出す。
…かなり杜撰な扱い方だ。
おそらく、銃使いだろうが。
ジョイル
よし、一つ目は45°の『10:00』、
二つ目は90°の『10:30』だ。
『°』?『10:00』?
何のことを言っているのか…
ミューズ
ミューズは何も言わず、さっきの引き出しからピストル、
スピードローダーを出し、専用に作られているベルトに身につけた。
ミューズ
行こう。
ミューズは俺についてくるよう促す。


…俺が生きるためには、『スタンドが関わっている事件』
を解決しなければならない。
手伝うのは、やむを得ないことだ…

それにしても、『10:00』『10:30』とは一体なんなのか…
こいつミューズのスタンドはなんなのか。


俺は重いドアをくぐり抜けた。

プリ小説オーディオドラマ