ミューズ。
帰りが遅いな…
あいつはやれる時とやれない時の区別がつかないからな。
彼は、サーチ・アンド・デストロイが指した場所へ一人で向かっていった。
あの時は、フレッチャはツィオーネを倒しに、
俺はやらなければならない事務を行っていたから仕方がないことだったんだが、
さすがにこの事件のボスに一人ではキツいか…?
…もし、倒せなくてもここに来たディアボロとかいうやつに手伝わせてどうにかするか…
今は夜で、俺はある書類の作成をしている。
外はもう暗く、その暗闇に誰かがいたとしても気づかないだろう。
ガタッ…
帰ってきたようだな…
事務所の入り口に、ぐったりした様子の彼がいた。
…奴の腕は、ミューズの何倍も上だ。
おそらく倒しきれていない。
その声は、落胆の色が隠しきれていない。
…まあ仕方ないだろう。
疲れきっている彼に、ディアボロが来たことを知らせるのは少しキツそうだな…
ミューズは階段を上っていった。
″ガンズ・アンド・ローゼズ″…
逃げる手段があって良かったな、ミューズ。
その人物は、大きく反応した。
かなり動揺している。
金髪の男が、″カルト″と呼ばれた人物に話しかける。
その場にいたカルト以外の2人は息をのむ。
異常と思うほど冷静な眼差しをしている。
紺色の眼をした男が勇む。
カルトは、ゆっくりと頷く。
金髪の男は、古びた棚に乗っている
淡い青色の火を手に取った。
火といっても、その形はいわゆる、″人魂″である。
その棚にはそれの他にも同じものがたくさんある。
魂は、いつの間にか手から消えていた。
…声。
この前会ったフレッチャとかいう男の声…
…?
俺は、今───
ガバッ。
俺は思い切り布団をぶっ飛ばす。
彼は優しい微笑みを見せて言う。
黙っているのに気づいたフレッチャは
話を早く進めることにしたようだ。
自分の部屋のドアを開け、下に続く階段を進む。
…
下りると、俺は視線が突き刺さるのを感じた。
警戒の眼。
昨日会ったジョイルと、もう一人は…見たことがない。
おそらくそれが、フレッチャの言っていた『紹介しなければならない人』だろう。
紹介されたミューズは、軽く礼をする。
ダルそうに言った。
フレッチャが言いかけるところを、ジョイルが割り込んだ。
…ずっと溜まっていたイライラを、少し発散させることにした。
ジョイルも高圧的な態度で返す。
ギスギスした雰囲気になる。
ミューズは話題を変えた。
それに、ジョイルは感情を抑え込み、話し出す。
スタンド。
それによる事件。
ここは、事件の依頼を受け付けている所。
それ以外は誰かに調べてもらって、判別しているのか…
『フロイド』…?
当たり前だが、俺はその名を聞いたことがなかった。
2人を見てみると、フレッチャは歯を食い縛り、ミューズは呻き声をあげていた。
提示されたのは、とある資料だった。
『フロイド・パンサー』…
スタンド能力は『ボン・ジョヴィ』。
そしてその横には顔写真が載っていた。
金髪の男だ。
それは意味がないのではないだろうか。
なに…?
俺と、ミューズで…
…
む…
いや、ほぼ初対面の相手に信頼は持てないのは当たり前か。
そもそも俺自身、あのときは何もかも疑っていたからな───
ミューズは言われた通りに、近くの金属製の机の引き出しを開け、
マッチ箱を取り出した。
その中から、弾丸を二つ取り出す。
…かなり杜撰な扱い方だ。
おそらく、銃使いだろうが。
『°』?『10:00』?
何のことを言っているのか…
ミューズは何も言わず、さっきの引き出しからピストル、
スピードローダーを出し、専用に作られているベルトに身につけた。
ミューズは俺についてくるよう促す。
…俺が生きるためには、『スタンドが関わっている事件』
を解決しなければならない。
手伝うのは、やむを得ないことだ…
それにしても、『10:00』『10:30』とは一体なんなのか…
こいつのスタンドはなんなのか。
俺は重いドアをくぐり抜けた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。