ピーンポーン______朝井は宣言通り、十七時に夜久の家の前にいた。朝井は遂に噂を検証できるのか、と今までにないほどワクワクしていた。なぜなら、「夜久と遊ぶ」と言っただけでいつもは詳しく内容を聞いてくる母が外出の許可を出したのだ。それを体感してしまった朝井は、居ても立っても居られない。母が怪しむ前に、また不幸に巻き込まれる前に、と急いでここまで来たのだ。
チャイムを押して数秒後、夜久が玄関の戸を開けて出てきた。その顔は明らかに呆れた表情で、心身共に疲れている様子だった。夜久が出てきた瞬間、朝井は夜久の手を引っ張って前々から調べていた路地裏の方向へ連れて行こうとしたが、伸ばした手は避けられ、朝井の頭に夜久の声が響く。「もう一回言うけど俺は行かないから」と。
だが、好奇心で興奮している朝井は夜久の言葉では止まらなかった。寧ろ、朝井の脳内では「それほど反抗しているのなら何か大事なことを知っているのではないか」とありもしない妄想を繰り広げていた。噂関連のなにかで興奮した朝井を止めるのはとても難しい。止めるには朝井の言う通りにしなくてはならない。そのことを理解していた夜久は仕方なく、という形で朝井に引っ張られながら路地裏へと着いて行った。「しゃあねえなあ」という溜め息混じりの声が薄暗い路地裏に響いた。
朝井と夜久が訪れたのは、路地裏の入り口から何度も色々な方向に曲がった末に辿り着く、小さな小さな小屋のような所だった。その小屋には受付窓口のような穴があり、その奥には高校生くらいの女性がいた。
下を向いていた目が朝井と夜久の方向を向いた。占い師は皆胡散臭いような人だと思っていた夜久だったが、案外違うのかもしれない、と女性、梅雨のきっちりとした姿を見て思った。
当初の目的の噂を確かめる為、なにか聞いてみることにした朝井は、何について占って欲しいか聞かれ、ハッとした。噂の真相が気になりすぎた故、何を聞くか一切考えていなかったのだ。「どうしようか」と朝井が唸り声をあげながら考えていると、夜久が口を挟んだ。
朝井と夜久の中で言う呪いは、腐れ縁のことだ。何度も離れようとしても離れられないその関係性を、二人はいつしか呪いと呼ぶようになっていた。夜久は噂好きではないが、占い師がなんでも答えてくれることを嫌でも耳に入ってきていた為知っていた。本当に教えてくれるのかは不明だが、朝井以上に朝井と離れられないことにうんざりしていた夜久はこれを好機だと言わんばかりに質問したのであった。
夜久が勝手に頼んだが、その問いが朝井にとっても満足いった様で、呪いについて詳しく説明した。すると梅雨は「うーん」と頭を捻りながら、誕生日を聞いてきた。朝井は「遂に占いが始まるのか」とワクワクしながら、朝井自身と夜久の誕生日を言った。
誕生日を聞いただけで星座がわかったことから朝井は本物の占い師だと思い込んだ。星座を暗記しているだけでは信憑性は低いが今の朝井にはそれが理解できない。目をキラキラさせながら待っている朝井と、呆れている夜久に、梅雨は言った。
梅雨は今日の出来事を見事に当ててみせた。その事実に驚き、朝井は感動する。そして、夜久は直ぐに肯定した。
噂通り、梅雨は質問に答えてくれた。しかも、サポート付きだという。仲良くすれば離れられる、というのは多少矛盾が生じる気がするが、試してみる価値はあると思う程、朝井も夜久も呪いにはうんざりしていた。
「噂は本当だったんだ」と噂の真偽を確かめられたことに対しての満足感と、やっと夜久と離れられるかもしれないという期待が混ざり合い、朝井は夜久を引っ張って占い屋から走って離れてしまった。きっと、彼らは明日も来るだろう。「青春って感じだね……」と梅雨は二人を見つめていた。
2023/08/26の水瓶座の運勢
学びたいことや知りたいことがあるなら、グループで行動すると幸運に恵まれそうな日です。1人ですべてをこなそうとするより、人と分担することで作業がはかどり好結果につながります。苦手な作業をする場合も、何人かでそれぞれが得意なことを担当するのがおすすめ。苦手な分野を理解できるようになるだけでなく、あなたの得意分野への知識を深めることにもつながっていくでしよう。調べものをする場合も同じようにすると、必要としている情報をスピーディーに得られそうです。
ホトリエより引用
2023/08/26の乙女座の運勢
理不尽なことやトラブルに巻き込まれやすい日。あなた自身に問題はないのに責任を押しつけられたり、振り回されたりするかも。「自分は悪くない」と声を大にして言いたいところですが、こんなときこそ感情を抑え、冷静沈着に立ち回りましょう。苛立ちや強い口調はマイナスイメージつながり、損をするだけだと肝に銘じて。特に、目上の人に対する言葉づかいには細心の注意を。クールで知的な対応は周囲に好印象を与え、評価も上がります。
ホトリエより引用











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!