第17話

【第三話】知らなかった事
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2026/02/11 09:00 更新
高級そうな所に招待される。
こんな所に来るとは思っていなくて
もっとしっかりした服装で着たほうが良かったのではと 
後悔した

案内された個室に鈴くんのお父さんと入る。
不安が抑えられなくて何度もスカートを握りしめる。
その手にはいつもと違ってかつてない緊張があった
月橋 晴明
月橋 晴明
それで小山内さん。お話とは…?
小山内 ミルク
小山内 ミルク
まずお時間をいただきありがとうございます。
小山内 ミルク
小山内 ミルク
そして本題に入らせていただきますね
小山内 ミルク
小山内 ミルク
ご自分の今の家庭環境ってご存じですか?
単刀直入過ぎただろうか…
心配になる。
一応基本的な事は先にメッセージで伝えていた。
月橋 晴明
月橋 晴明
詳しくは分からないですね…
月橋 晴明
月橋 晴明
なんせ中々家に帰れないものですから
小山内 ミルク
小山内 ミルク
そうですか…
小山内 ミルク
小山内 ミルク
実は貴方の奥様が育児放棄をしているみたいなんです。
月橋 晴明
月橋 晴明
ほう。
難しい顔をこちらに向ける。
その顔が自分の父親と重なり少しびっくりする
小山内 ミルク
小山内 ミルク
それで家事が上手くできないと殴られたり等の暴力もあったみたいで。
月橋 晴明
月橋 晴明
そんな事があったんですか…?
予想外な顔をしている
本当に知らなかったのだろう。
まぁ社長であることから少し感じていたが
小山内 ミルク
小山内 ミルク
はい。本人が言っていましたし、弟さんが『最初は殴られてたけど、最近は殴られてない』
小山内 ミルク
小山内 ミルク
そう発言していた事から家事が上手くできないと暴力を振られていたんではないんでしょうか
タダの考察でしかない。
でもきっとそう。確信を抱ける。
それは今までの鈴くんの表情やセリフから想像できる
月橋 晴明
月橋 晴明
……確かに…昔から妻は変だったような気がします
月橋 晴明
月橋 晴明
鈴に対してはいつもお兄ちゃんだからと言っていたような気がします
小山内 ミルク
小山内 ミルク
(鈴くん……)
お兄ちゃんだからと言われるのは
想像以上に辛い。

それはうちが自分自身に言って
耐えていた時に辛かったから

それを毎日されていると感じると
うちだったら耐えられなかったと思う
月橋 晴明
月橋 晴明
それで貴方は何故そこまで知っているのでしょうか?
小山内 ミルク
小山内 ミルク
……娘が鈴くんと同じ学校に通っていたらしく、そこで仲良くなり、家で遊ぶ様になったからですね
小山内 ミルク
小山内 ミルク
その時に家での事も話してくれました
まぁ家庭の事は教えてくれてないけど
信用されるにはそういうしかなかった。

でもこれが確信だと思っての嘘。
月橋 晴明
月橋 晴明
そうなんですか……
月橋 晴明
月橋 晴明
なんとお礼を言ったらいいか…
小山内 ミルク
小山内 ミルク
いえいえ。お礼なんていらないですよ。
小山内 ミルク
小山内 ミルク
それより1つお願いしたいことがありまして
うちは少し難しいお願いをする
正直通るとは思ってはいないが、
うち自身そんな事をされて平常心で居られるわけがない
月橋 晴明
月橋 晴明
何でしょうか?
小山内 ミルク
小山内 ミルク
私を月橋さんの家に連れて行って欲しいです。
月橋 晴明
月橋 晴明
それは何故?
小山内 ミルク
小山内 ミルク
自分自身苦しんでいる人をほっとけない性格でして
小山内 ミルク
小山内 ミルク
鈴くんや弟さんが苦しんでいるならそれから助けてあげたいんです。
小山内 ミルク
小山内 ミルク
それに私自身。奥様と直接話してみたいと思ったからです
そう…うちの目的は鈴くんの母親と話すため。
母親としてどうなのか聞きたい。
どうしてそんな事が出来るのか分からない

だから知りたい。ただそれだけ
月橋 晴明
月橋 晴明
それなら私も妻に言いたい事がありますのでご一緒させていただきます。
小山内 ミルク
小山内 ミルク
ありがとうございます。
月橋 晴明
月橋 晴明
この後にご予定等ありますか?
小山内 ミルク
小山内 ミルク
いえ。特にありません。
月橋 晴明
月橋 晴明
それなら今から家に向かいましょう。
小山内 ミルク
小山内 ミルク
今からですか?
今からと言う言葉に驚く。

この格好で行っていいのだろうか…
家に黒ちゃん一人で大丈夫だろうか
心配でしかない
月橋 晴明
月橋 晴明
えぇ。ご都合が悪かったですか?
小山内 ミルク
小山内 ミルク
いえ。大丈夫ですよ。
小山内 ミルク
小山内 ミルク
少し娘と電話してきてもよろしいでしょうか
月橋 晴明
月橋 晴明
はい。大丈夫ですよ。
うちはそう言い席を立って
黒ちゃんのLINEを開いて
通話をかける
プルプル
                 『どうかした……?』
小山内 ミルク
小山内 ミルク
あっ黒ちゃん〜?
              『…早く帰ってきてくれ…』
小山内 ミルク
小山内 ミルク
ど、どうかしたの…?
いつもと違う声のトーンに
不安そうな声。

そんな声聞いたことがないから
心配になる。
        『家に人がいないとすごい不安になる…』
小山内 ミルク
小山内 ミルク
(多分…人がいなくなるのが怖いのかな…)
小山内 ミルク
小山内 ミルク
今から鈴くんの家に行くんだ。
小山内 ミルク
小山内 ミルク
だから鈴くんが戻ってきたらおかえりって言ってほしいな
               『鈴が帰ってくるの…?』
小山内 ミルク
小山内 ミルク
うん。必ず助けてくるからね
小山内 ミルク
小山内 ミルク
だから少し待てる?
                   『……分かった』
少し安心したのだろうか。
声が柔らかくなった気がした。

やっぱり黒ちゃんは優しい。
そんな落ち着いた声にうちも安心する
小山内 ミルク
小山内 ミルク
ありがとう。
小山内 ミルク
小山内 ミルク
……安心してね。
小山内 ミルク
小山内 ミルク
うちは黒ちゃんを置いてどこかに行ったりしないから
小山内 ミルク
小山内 ミルク
だってうちは黒ちゃんの親なんだから
                   『……信じてる』
小山内 ミルク
小山内 ミルク
信じてよ〜だってこのミルク様だよ〜?
いつもの口調で冗談を言う。
これで場が和むと思ったから
         『やっぱうざくなってきたから切るわ』
小山内 ミルク
小山内 ミルク
黒ちゃん?!
ピロン
小山内 ミルク
小山内 ミルク
まぁこれで少し落ち着いたかな?
そんな声を聞いて少し安心してうちも安心した。
うちも頑張ってうちにできる事を精一杯しよう。
小山内 ミルク
小山内 ミルク
行こう。鈴くんの家に

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