高級そうな所に招待される。
こんな所に来るとは思っていなくて
もっとしっかりした服装で着たほうが良かったのではと
後悔した
案内された個室に鈴くんのお父さんと入る。
不安が抑えられなくて何度もスカートを握りしめる。
その手にはいつもと違ってかつてない緊張があった
単刀直入過ぎただろうか…
心配になる。
一応基本的な事は先にメッセージで伝えていた。
難しい顔をこちらに向ける。
その顔が自分の父親と重なり少しびっくりする
予想外な顔をしている
本当に知らなかったのだろう。
まぁ社長であることから少し感じていたが
タダの考察でしかない。
でもきっとそう。確信を抱ける。
それは今までの鈴くんの表情やセリフから想像できる
お兄ちゃんだからと言われるのは
想像以上に辛い。
それはうちが自分自身に言って
耐えていた時に辛かったから
それを毎日されていると感じると
うちだったら耐えられなかったと思う
まぁ家庭の事は教えてくれてないけど
信用されるにはそういうしかなかった。
でもこれが確信だと思っての嘘。
うちは少し難しいお願いをする
正直通るとは思ってはいないが、
うち自身そんな事をされて平常心で居られるわけがない
そう…うちの目的は鈴くんの母親と話すため。
母親としてどうなのか聞きたい。
どうしてそんな事が出来るのか分からない
だから知りたい。ただそれだけ
今からと言う言葉に驚く。
この格好で行っていいのだろうか…
家に黒ちゃん一人で大丈夫だろうか
心配でしかない
うちはそう言い席を立って
黒ちゃんのLINEを開いて
通話をかける
プルプル
『どうかした……?』
『…早く帰ってきてくれ…』
いつもと違う声のトーンに
不安そうな声。
そんな声聞いたことがないから
心配になる。
『家に人がいないとすごい不安になる…』
『鈴が帰ってくるの…?』
『……分かった』
少し安心したのだろうか。
声が柔らかくなった気がした。
やっぱり黒ちゃんは優しい。
そんな落ち着いた声にうちも安心する
『……信じてる』
いつもの口調で冗談を言う。
これで場が和むと思ったから
『やっぱうざくなってきたから切るわ』
ピロン
そんな声を聞いて少し安心してうちも安心した。
うちも頑張ってうちにできる事を精一杯しよう。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!