「そういえば、今日は転校生がくるからな」
これから私の担任になるのであろう教師がみんなに言っていた。
みんなは「女?男?」「可愛い?!」「どんな子だろ」などと口々に言っていた。
「西島、入ってこい」
先生に呼ばれた私はスライド式のドアを開けて教室へはいる。
みんなの視線が集中して空気が張り詰める。
「はい、じゃあとりあえず、あの端っこの席に座ってもらって。はい、じゃあ朝の会始めるぞー」
やたらに「はい」が多い担任が仕切る。
担任に言われた通り端っこの席に座った。
前も左も男子。後ろと右は不在。
圧倒的に不利な席だ。
まぁ、もともと友達なんてものを作る気はなかったのだけれど。
朝の会が終わって、本でも読もうかなと思った時、
一瞬世界が止まったような気がした。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!