ガタガタと車が揺れる。
何度目のこと。
そう言われて重いからだをゆっくりと動かす。
そして、顔を上げると、そこには自然が溢れていた。
その言葉を無視して私は先に新しい家へと向かう。
扉を開けるとツンとしたかび臭い匂いが鼻をかすめた。
部屋を適当に開けていき、やっと見つけたベッドで私は横になった。
そして、気づいたら、深い眠りについていた。
ある朝、私は初めてここの学校に行こうとしていた。
人生で初めて転校生になるのだ。
そう呟いたところで、その言葉は誰にも伝わらず、消えていくだけだ。
何も変わらない。
学校まではお母さんが送って行ってくれたが、ここからは1人だ。
同級生だろうか。同い歳くらいの生徒が笑いながら慣れた足どりで学校に向かっている。
そして、私も、重くてしょうがない足を無理やり前へ進めた。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!