今日もいつも通り、教室内は騒がしい
誰か一人は何かしら喋っている
そんな中私は
イヤホンをして音楽を聞いていた
わざわざ聞こえるように言わなくてもいいのに
はぁ聞こえてるってば
そう、私、音瀬成は病気でしゃべることができないのだ
今日もあそこに行くか
〈放課後〉
ガラガラガラガラガラガラ
やっぱり落ち着く
私はいつも放課後に音楽室へ行ってピアノをひいているのだ
今日は何をひこうかなぁ
ボレロをひこうかな
♪〜♫〜♪〜♫〜♪〜♫〜♪〜♫
音楽室内にピアノの音が響き渡る
ピアノをひくときが一番楽しい
誰かと話すことなんてできないんだから
♪〜♫〜♪〜♫〜…
今日も引き終わった
帰ろうとしたその時
ガタン!
誰だろう……
私は音のした方へ向かってみると…
男の子がいた
カキカキカキ……
カキカキカキ
カキカキカキ
カキカキ
私はアメージング・グレイスをひいた
♪〜♫〜♪〜♫〜♪〜♫〜♪〜♫
すると彼は
アメージング・グレイスを歌い始めた
彼の歌声は透明感があってとてもきれいだった
引いててとても居心地が良かった
♪〜♫〜♪〜♫〜〜……
アメージング・グレイスを一通り引き終えた
カキカキカキ
誰かと音楽を楽しむことなんてなかったから
新鮮でとても楽しかった
誰かといることなんてなかったから
少し緊張したけど
うまくひけたし、一緒に音楽楽しんでくれるし
彼なら信じてもいいのかもしれない












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。