恵side
『 めぐ 』
『 めぐみ 』
誰かが私を呼んでる。
起きなきゃ、行かなきゃ
私はここにいる。ここにいるよ
重たくて重たい瞼を開けると
視界に真っ白が広がった。
声が出ない。
お姉ちゃん、?なんで泣いてるの、
って私、、、倒れちゃった
だからお姉ちゃん悲しい顔してるの、
私のせい、私のせいだ…
ごめん、ごめんなさい、ごめんなさい
この時のお姉ちゃんの温かさを
もう、忘れることはないと思う。
もう、お姉ちゃんに悲しい思いさせたくない
この時、強く、強くそう思ったはずだった
それから、2日後
お姉ちゃんに心配されながら
退院した。
その次の日
いつもは強がっているけれど
実はものすごく繊細なことを私は知っている
目の前のお姉ちゃんは今にも
倒れそうなくらい脆かった。
はるちゃんにまた心配の目で見られながら
送ってもらって学校まで来た時だった
お姉ちゃんの手を握って背中を摩る
マラソンを走り終えたあとみたいに
ゼェゼェと苦しそうに浅い息を繰り返す
お姉ちゃん。私のせい、だよね…
思い出させちゃった、、。
はるちゃんと一緒に支えて
車に寝かせてから、正面玄関に向かった
私は怖くない。怖くない、
微かに震えている手は寒さのせいだと
言い聞かせた。
この日からお姉ちゃんは
引きこもるようになってしまった
しばらくは夜も私がいないと眠れなくて
病院に行ってもらった睡眠薬で
今はやっと寝れている。
精神安定剤も飲んでいて、それでもまだ
生活しているどこかで私のことが
フラッシュバックするような日々
それでも私のためについて来てくれた
なのに、私はなんでまた頼れなかったんだろう
倒れちゃってごめんなさい。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!