朝の教室。
ガヤガヤとした雰囲気の中、星華は机に突っ伏していた。眠気で目が開かない。前日のレッスンは長引き、帰宅したのは深夜を過ぎていた。
静かな声がして、顔を上げる。
すぐ隣の席の想葵が、星華の顔をじっと見つめていた。
想葵はそれ以上何も言わず、視線を外して教科書を開いた。
星華はそう思いながらも、どこか心が温かくなっていた。
昼休み、屋上。
ののが駆け寄ってくる。水色のサイドテールが揺れる。
星華の胸が少しだけざわついた。
それはたぶん、昨日会ったあの男の子の名前と一致したから。
ののは嬉しそうにスマホを開いて、やりとりの画面を見せてくる。
笑顔で返したつもりだった。でも、心の奥の何かが沈んでいく。
星華は、自分でも気づかないうちに、その名前をずっと考えていたのかもしれない。
けれどその夜、星華のスマホには、見覚えのある名前から連絡が届く。
「会いたい。少しだけ、話せない?」
三条凪翔からだった。
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。