第172話

8人で1人(主人公side)
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2025/10/20 12:00 更新




楽しかったファンミーティングもあっという間に最終日を迎えた。




最終日はハニが作ってくれたわたしのソロ曲を初めて公開することになっている。






ハニから曲をもらったとき、まず歌詞を読んだ。






どんな曲を作ってくれたのか気になっていたが、それはラブソングだった。




ただひたすらに、愛する人に想いを伝えている。



それはハニが作った今までの曲にないほどの甘ったるさと、ハニらしい切なさが混在していた。






(なまえ)
あなた
どうやって表現しよう…




こんなにストレートに感情が表現されている曲はstraykidsの楽曲で初めてだったから、どう表現しようか少し戸惑った。





公開までメンバーにはサプライズにしたかったし、曲を作ってくれたハニにも「こういう風に表現したのか」と驚かせたかったから、相談するのは避けたい。





かくなる上は……





























サナ
サナ
あなたー!会いたかったー!
(なまえ)
あなた
わぁ、サナオンニ!
いつ会っても元気ですねㅎㅎ
ミナ
ミナ
ファンミーティング、張り切ってるんやってな?
こっちまでその話回ってきてたでㅎㅎ
(なまえ)
あなた
はい、わたしの大好きな世界観を落とし込んでくれてるので楽しくって!
モモ
モモ
で、今日はどしたん?
恋愛相談?
(なまえ)
あなた
あっ、えっと、歌の相談をしたくて…
ミサモ
歌の相談???




困った時、頼る先は大好きな先輩たちだった。





モモ
モモ
歌なんてうちらなんも教えられへんで?
ミナ
ミナ
ていうかあなた歌うまいのに何を聞きたいの?
(なまえ)
あなた
これ、まだ未発表の曲なのでここだけの話にしてくださいね?
実はメンバーのハニがわたしに曲を作ってくれて、それをファンミーティングで初お披露目しようと思ってるんですけど…






そう言って曲の歌詞をテーブルに広げる。




まじまじと歌詞を読む3人。






サナ
サナ
あぁねー、すごい直球だㅎㅎ
ミナ
ミナ
これをあなたに作ってくるなんて相当だね?
(なまえ)
あなた
今までこんなストレートなラブソングはstraykidsになくて、どう表現しようか戸惑っちゃって…
TWICEは恋愛の曲が多いからアドバイスもらえるかなって思ったんですけど…
モモ
モモ
だからうちらに相談したってわけねー…
どう思う?
ミナ
ミナ
正直ここまで歌詞がストレートだと、歌い方どうこうじゃなくない?
モモ
モモ
ただ歌うだけは歌詞のストレートさに負けるし、かといって過度に表現してもしつこいよな?
サナ
サナ
これ、絶対にハンはあなたを当て書きしてると思うんよね。
じゃなきゃここまでリアルに書けへんと思う。
だからこれを表現するんやったら、あなたも大勢に向けてっていうより誰かに宛てて歌う方がいいんじゃないかな。
(なまえ)
あなた
誰かに、宛てて……
ミナ
ミナ
あなたが初めて作詞した曲も聴いたけど、あれはあなたの中で思い浮かべる人たちっていたんじゃない?





初めて作詞したとき、あの歌詞は確かにメンバーやSTAYのことを思い浮かべて書いたし、歌うときもそうだった。




サナ
サナ
やっぱり気持ちをストレートに表現してる歌詞なんやから表現も真っ直ぐ相手に届くような表現がいいと思う。
ハンが個人に宛ててるならあなたも個人に宛てて歌えばいいんじゃない?
モモ
モモ
……そうなると難しいのが今の状況やんな?





ラブソング…思い浮かべる人が1人ならもっと簡単だった。




でもわたしが恋しているのは8人で、だからこそ個人を思い描いて表現するのが難しかった。






ミナ
ミナ
あの時から言うとだいぶ時間は経ったけど、心境の変化とかないん?




心境の変化…




幾度となく自問自答した。




そのたびにわたしが思うのは「8人全員が好き」、ただそれだけだった。






ミナ
ミナ
8人全員が好きなのね?やっぱり…





わたしが押し黙っていると、そんなわたしの心境を読み取ってミナオンニが気持ちを代弁してくれる。






サナ
サナ
じゃあさ、8人を1人の人として歌ってみるのはどう?
モモ
モモ
さーたん、それどういう意味?




頭にハテナがいっぱい見えるモモオンニ。




サナ
サナ
逆に言えば分かりやすいかな?
あなたの好きな人が8人に分裂しちゃったの。
それぞれが好きな人の好きな要素を別々に持ってね。
だから8人で1人なの……分かる?
(なまえ)
あなた
オンニ……素敵です、それ…!
そう考えるとラブソング歌うときにより自然に感情を込められそう…





8人で1人…





そう、誰か1人でも欠けちゃいけない。






それはグループとしてもだったし、好きな人としても。






だからこそサナオンニの表現がしっくりきたし、今回の歌を表現することだけじゃなく、みんなに対しての自分の感情が一気にまとまった気がした。







モモ
モモ
なんやよう分からんけどあなたがしっくりきたんなら良かったわ!
サナ
サナ
ももりんにはちょーっと難しかったかなー?ㅋㅋ
モモ
モモ
ちょっ、さーたん!
(なまえ)
あなた
ㅋㅋㅋㅋ
やっぱりオンニ達に相談してよかったです!
ありがとうございます!
ミナ
ミナ
いつも自分のことになると抱え込みがちやったあなたが頼ってくれるようになって、うちらも嬉しいで?
やからいつでも頼ってな?





ミナオンニが優しく撫でてくれて、自然とあたたかい気持ちになる。





メンバーだけじゃなく、わたしにはたくさん支えてくれて大事にしてくれる人たちがいるんだなと再認識した。





オンニ達とはそれからもしばらく話をして、満たされた気持ちで解散した。






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