さっぱりわけがわからない
研究者…?って何、、
そのまま何も返事できずに居ると
渡辺「あーすんません。研究者になりたいって言ってるわけじゃなくて、シンプルにその話に興味があるってことなんで」
??「なるほど…」
渡辺「でも、こいつならやってくれると思いますよ。な?」
翔太が俺を見て目で合図する
長年一緒に居ると分かるもんだな…
これは、
"話を合わせろ"
と言ってるんだ
翔太はさっき「いい案を持ってきた」と言った
目黒も原もどうやらグルみたいだし
こいつらがやることなら
まぁ、大体は信頼できる…
それならもう乗るしかない
研究者だかなんだか知らないが
それでこのジムを
父さんの夢を守れるのなら
なんだってする
俺は一か八かで
目の前の男に言った
岩本「…その研究」
"俺にもやらせて下さい"
……………………………………………………………
あなたの下の名前side
岩本「…って感じです、はい」
「えーと、ちょっと待って下さい…?」
岩本「え、なに…」
深澤「…お前、なんの研究かも分からずに研究者になったのか?」
岩本「いやまぁあん時はね…?一か八かだったし…」
宮舘「怪しい研究だったらどうしてたのよ…。お金だってちゃんと貰えるかわかんないのに…」
岩本「もういいじゃん!…終わった話なんだから」
集中攻撃を受けて拗ねるひー博士
いつも冷静で慎重なひー博士がまさか
一か八かで研究者を引き受けたとは…
やっぱり私はまだまだ
博士達を知らないなと思い知る
「それで、ジムはどうなったんですか?…お金間に合いました?」
岩本「…あ、うん。ちょっと前借りとかして貰っちゃったけど、全然間に合ったし今も経営してるよ」
岩本「ほら、この前あなたの下の名前に調査してもらったジム。あれもとは父さんのジムだから」
「え!?あ、そうだったんですね…」
渡辺さん達に協力してもらったあのジムが
ひー博士のお父様のジムだったのか
渡辺さん達がひー博士の事情を知っていたのも
今の話で納得できる
あの時から素敵なご友人だと思っていたが
その印象は間違っていなかったようだ
深澤「照にもなかなか重めの過去があったのねぇ…」
岩本「んー、重いかな…?わかんないけど、まぁ大変ではあったかな」
岩本「パーソナルトレーナーは辞めなきゃいけなかったし、それを父さんに言うのもやっぱつらかったし…」
夢を諦めてまで研究者に賭けたのは
責任感の強いひー博士だからこその
決死の決断だったんだろう
お父様のことも
お互いがお互いを想ってのことだったから
尚更つらかったはずだ
それでもひー博士は
今日も博士としてここに居てくれている
きっとそれが彼なりの信念の貫き通し方なんだ
こんなに家族思いの素敵な人と出逢えたことに
本日何度目か
彼らの助手になって良かったと
また思う
深澤「にしても、その友達よく見つけたよなぁこの仕事。んまぁそれを言ったら俺も、阿部ちゃん達居なかったら絶対出会えなかったもんな…」
岩本「そういえば、みんな友達きっかけでこの仕事ついてるんだね」
宮舘「たしかに…」
今までの話を振り返ると
三人とも数奇な運命のめぐり合わせで
今ここに居ることが分かる
こうして出逢えたことは
やっぱり奇跡なんだなとしみじみ思う
「…やっぱり私は幸せ者ですね」
深澤「…ん?幸せ者?」
首を傾げる三人の博士に
私は続けて言う
「…だって、こんなに素晴らしい人達と一緒にお仕事できてるんですもの!」
「毎日大変で忙しいけど、皆さんと一緒ならこの先も頑張れますし、何より…」
「皆さんの素敵な夢や想いを、私も支えて行けることができて嬉しいんです」
普通に生きているだけでは体験できないような
貴重な時間を
素晴らしい人格者達と共に過ごせることが
どれだけ幸福なことか
今日、三人ことを沢山知って
改めてしっかり伝えたかったのだ
「「………」」
「…えっ、あれ?」
「ちょっと、何か言って下さいよ…//なんか私だけ一人でこんなっ……あ」
岩本「…//」
深澤「…//」
宮舘「…//」
何故か黙っている三人の方を見ると
それぞれ顔を隠したり
天を仰いだり
明後日の方向を向いてたり、、
「…照れすぎじゃないですか、、?」
「「「そりゃ照れるわ!!!」」」
宵を照らす桜並木に
三人の大きな声がこだますると
心地よい夜風と共に
温かな笑い声が身を包んだ












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。