前の話
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これは、とある家のお母さんが始めたお話。
満面の笑みで笑え優輝につられて微笑むお母さん、
吾輩は猫である、えっ?どこかで聞いたことがあるって?気の所為さ!改めまして俺は優!至って普通の猫さ!でもみんなと違う所がある。それは家族が居ないこと、正しくはいなくなったこと。昨日母さんも父さんと姉さんも俺を置いて逝ってしまった。俺は泣き崩れた。周りが海のなるんじゃないかってぐらい泣いた。そのせいで今もフラフラだ
何かいい香りがする…俺はその匂いのする方へ歩いていった。そんなことしているうちに雨が降って来てしまった。俺は走ってそのお家の屋根で雨宿りした。向こうから女子高生?が4人歩いてくる
いいな、楽しそうだな
俺も人間だったら良かったのに
そんなこと考えていると
女子高生の1人が俺の前に来た。
どうでもいいだなんて失礼な!そんなことを思っていると不意に肌に柔らかい感触があった、驚いて固まっていると、
そういうと紗輝は前を向いて歩いていく
どんなにありがとうを伝えたくても、口からは、にゃー という声しか出ない 俺が人間だったら良かったのに、 そう思っても叶わないものは叶わない、何か自分に出来ることは無いかな?
そんなことを考えていると
ぶっプーーー!
突然クラクションの音が鳴り響いた
そして直ぐに ドン!という音が聞こえた
えっ?
と思っても、もう遅い。優の体は既に動かなくなっていた。
あぁ、もう自分は助からないのだ、と優は悟った。
優は目を閉じた
あの子に貰ったはずの白かったバンダナは
真っ赤に染まっていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!