莉犬が連れ去られてから、数時間が経過した
外の雪は激しさを増し、すべてを白く塗りつぶそうとしている
しかし、シェアハウスのリビングは、かつてないほどの熱量と緊張感に包まれていた
静寂を破ったのは、パソコンの画面を凝視していたななもり。の声だった
メンバーがモニターの周りに集まる
さとみが低い声で応じる。彼は手元のスマートフォンで、独自のルートから得た情報を照らし合わせていた
るぅとがその名を口にすると、部屋の空気がさらに冷え込んだ
ころんが拳を強く握りしめ、震える声で呟いた
ジェルはソファの端で、怪我をした頭に包帯を巻きながら、ななもり。が示した地図を食い入るように見つめていた
ななもり。が制止するが、ジェルの決意は揺るがなかった
ジェルの強い眼差しに、ななもり。は静かに頷いた
ななもり。はホワイトボードに工場の概略図を書き込み始めた
さとみが不敵な笑みを浮かべる
その裏には、大切な家族を傷つけられたことへの静かだけれど苛烈な怒りが燃えていた
るぅとが瞳を鋭く光らせる
すとぷり学園の「仲良し5人組」は、今、一つの戦闘集団へと変貌していた
幼稚園からずっと一緒だった
お互いの弱さも強さも知り尽くしている
だからこそ、誰かが欠けることなんて耐えられない
ななもり。の言葉に、全員が力強く頷く
ジェルは、莉犬がいつも抱えていた赤いクッションを一度だけ強く抱きしめ、それを丁寧にソファに置いた
深夜。5人を乗せた車は、激しい雪の中を、山奥の廃工場へと向かって走り出した
その先にあるのが、莉犬の凄惨な過去と、恐るべき実験の真実であることも知らずに___












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!