私は車の窓の方に目を向けて、南雲くんを探した
…あ、水持ちながら、お菓子ゾーンにいる
あんな、背高い人がお菓子コーナーいるの、なんかシュールで新鮮
南雲くん、お菓子とか食べるんだ…
バキ
ん?バキ?
今の音なんだ、?
聞き間違いか
ストレスで幻聴もあるってよく聞くから、ストレスかな
確実に南雲くんだろうな、原因は
それ以外考えられない
詳しいことは話せない…か
神々廻さんは何か事情があるのかな
殺し屋なんて、普通に考えて恐ろしすぎる
人殺しを生業にしてるなんて、…
神々廻さんも殺し屋だから、そんなこと言わないけど
殺し屋は怖い、だけど正直…
漫画みたいでかっこいいかも、なんて心のどこかで思っている自分が
一番怖い
神々廻さんに、私の気持ちを全部言ってしまった
南雲くんに伝わるかもしれないけど、神々廻さんは言わなそうな気がした
それに、誰にも相談できないモヤモヤが少し晴れたような気がして
どこか心が落ち着く
神々廻さんから目を逸らし、私は申し訳ない気持ちで共感した
神々廻さんの言葉や、話を聞いて聞いてくれたことで
もっと心の重りが軽くなった気がする
俺以外の連絡先、全部消してよ 的なやつですか…
南雲くんからやりかねない
てか、そろそろやられそう
神々廻さんは小さい紙に電話番号を書いて渡してくれた
これ、どこに隠したら南雲くんにバレないかな…
この紙のこともそうだけど、
そもそものこの状況、本当にどうしよう
とりあえず、貰った紙は小さく折ってポケットに入れた
不安がって、震えている私に向かって
神々廻さんが口を開いた
狂っとるけどな…と、呟きながら
神々廻さんは難しそうな顔をして窓の外を眺めていた
ガチャ
少し肌色が良くなった、南雲くんが水とポッキーを片手に帰ってきた
To be continued ▶︎#12












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!